警察官からタクシー運転手に転職する理由とステップ:資格や収入の実態を解説

警察官からタクシー運転手に転職した画像 タクシー会社

警察官として培ったスキルや経験を活かしながら、違う職業にチャレンジしてみたいと考える方が増えています。

その中でも、タクシー運転手への転職は、比較的柔軟な働き方や安定した収入を求める人々にとって魅力的な選択肢です。

本記事では、警察官からタクシー運転手へ転職する理由やステップ、必要な資格や収入の実態について詳しく解説します。

これから新しいキャリアに踏み出す方々の参考になることを願っています。

警察官からタクシー運転手への転職が注目される理由

警察官からタクシー運転手への転職が注目される理由は、主に以下の4つのポイントに集約されます。

1. 安全運転・交通知識が活かせる

警察官として培った交通ルールの深い理解や安全運転への意識は、一般的なタクシー運転手よりもリスク管理に優れており、事故を防ぐための予防策を自然ととることができます。

こうしたスキルが、タクシー運転手として高い評価を得る要因になります。

2. 対応力と冷静な判断力

警察官は緊急事態や予期せぬ状況に冷静かつ迅速に対処することを経験しているため、タクシー運転手としてもトラブルに強く、乗客からの信頼を得やすいでしょう。

特に深夜の運転や都市部での運行中に発生する問題への対応力は、警察官出身者にとって大きな強みとなります。

3. 柔軟な働き方とキャリアの安定

警察官の定年後や早期退職後の新しいキャリアとして、タクシー業界は比較的年齢に左右されずに働ける職業です。

また、警察官としての経験や信用が評価されやすい環境にあるため、安定した収入を確保しながら働くことが可能です。

4. 社会的信用と信頼性の高さ

元公務員である警察官がタクシー運転手として働く場合、そのバックグラウンドは顧客からの信頼を得やすい要因となります。

こうした信頼性はタクシー会社にとっては採用の大きな動機にもなり、警察官からの転職は業界内で有利に働くことが多いのです。

これらの理由から、警察官の退職後のキャリアとしてタクシー運転手が注目されています。

職務経験を活かし、社会貢献を続けながら新たな道を歩むことが可能な選択肢です。

タクシー運転手への転職ステップ:必要な手続きと準備

以下に転職ステップについて述べます。

1. 資格の確認と取得

タクシー運転手として働くためには、まず第二種運転免許が必要です。

第二種運転免許は、乗客を乗せるための運転免許で、普通免許よりも厳しい基準があります。運転技術はもちろん、健康状態もチェックされます。

必要な条件に応じて、運転試験を受けるための準備が必要です。特に高齢者や健康状態に不安がある場合は、事前に医師の診断が求められることもあります。

2. タクシー会社のリサーチと応募

次に、転職先となるタクシー会社をリサーチします。

タクシー会社は地域ごとに多くあり、給与形態や勤務時間、福利厚生が異なります。自分のライフスタイルに合った条件を提供する会社を探しましょう。

面接時には、運転経験や安全運転の実績が評価されるため、警察官としての経歴をアピールすることが有利です。

3. 健康診断と二種免許取得の準備

タクシー運転手としての健康基準に合格するため、定期的な健康診断が重要です。

特に視力や聴力、心臓の健康状態が確認されます。第二種運転免許を取得するための健康診断では、厳しい基準が設定されていますので、準備を怠らないようにしましょう。

基準を満たしていれば、教習所で必要な講習を受け、最終的に免許を取得できます。

4. タクシー会社での研修と実務経験

タクシー会社に採用されると、多くの場合、新人研修が行われます。

この研修では、運転技術に加えて、接客マナーや乗客への対応方法を学びます。特に道の把握や接客態度は、タクシー業務において重要なポイントです。

研修終了後、一定期間の実務経験を経て、一人前のタクシー運転手として業務に就くことができます。

このように、タクシー運転手への転職には段階的な準備と資格取得が必要です。元警察官の経験を活かし、安全で信頼される運転手を目指しましょう。

警察官が取得すべきタクシー運転手の資格と研修内容

繰り返しになりますが、取得すべき主要な資格は「第二種運転免許」です。

これは旅客を運送するための特別な免許で、21歳以上かつ第一種免許取得後3年以上の経験が必要です。

警察官は通常、この条件を満たしているため、比較的スムーズに取得できるでしょう。

次に「タクシー運転者登録」が必要となります。

これには適性診断の受診と法令試験の合格が求められますが、警察官の経験は特に法令知識の面で有利に働くでしょう。

多くのタクシー会社が実施する研修プログラムでは、以下のような内容を学びます:

  1. 接客マナーと乗客とのコミュニケーション
  2. 地理知識の強化と効率的なルート選択
  3. 車両の基本的なメンテナンス
  4. 料金システムの操作と正確な精算
  5. 緊急時の対応と安全運転技術の向上

警察官としての経験は、特に緊急対応や地理感覚の面で活かせますが、接客や料金システムについては新たなスキル習得が必要です。

また、近年増加している訪日外国人に対応するため、基本的な外国語会話や観光案内のスキルも求められつつあります。

これらの資格取得と研修を通じて、警察官の経験を活かしつつ新たなスキルを習得することで、プロフェッショナルなタクシー運転手としてのキャリアをスタートさせることができます。

安全で快適な乗車サービスを提供するための準備を万全に整えましょう。

転職後の収入はどう変わる?警察官とタクシー運転手の収入比較

警察官からタクシー運転手への転職を考える際、最も気になるのは「収入の変化」でしょう。

両職業の収入には違いがあり、特に給与形態や勤務時間、ボーナスの仕組みが異なります。

警察官は公務員として安定した収入を得られる一方で、タクシー運転手は歩合制が基本となり、働き方や成果に応じて収入が大きく変動します。

以下の表で、警察官とタクシー運転手の収入を比較してみましょう。

比較項目 警察官(平均値) タクシー運転手(平均値)
年収(平均) 約600万円〜800万円 約300万円〜500万円
初任給 約20万円〜25万円 約20万円〜25万円
ボーナス 年2回(約4〜6ヶ月分) 会社による
勤務形態 定時制+残業手当あり 自由なシフト制+歩合給
収入の変動幅 少ない(安定した収入) 大きい(歩合制による影響)
退職金 あり(平均約2000万円) 会社による

1. 基本給の違い

警察官の基本給は年功序列による安定した収入が特徴です。勤続年数が増えるごとに昇給があり、ボーナスや各種手当(住宅手当や扶養手当など)も加わり、収入が上昇します。

一方で、タクシー運転手の基本給は固定額が低めに設定されていることが多く、歩合給が収入の大きな割合を占めます。業績や働いた時間に応じて収入が増える仕組みです。

2. 収入の変動幅

警察官は安定した給与体系であり、残業手当や夜勤手当が加わるものの、基本的には固定収入です。

これに対して、タクシー運転手は、運転時間や利用客数、地理的な条件によって月々の収入が変動します。繁忙期や観光シーズンには収入が上がることがある一方、閑散期には収入が減少することもあります。

3. ボーナスと退職金

警察官は年2回のボーナスがあり、総収入を大きく押し上げる要因となります。さらに、定年退職時には多額の退職金を受け取ることができます。

一方で、タクシー運転手は会社によってボーナス制のところもあればボーナス分を給料の一部として組み込んでいるところもあります。つまり、代わりに歩合制で収入を得る仕組みです。また、退職金制度も会社によるため、警察官ほどの金額は期待できません。

以上のように、警察官からタクシー運転手に転職した場合、収入構造や安定性に大きな違いがあります。

タクシー運転手として働く場合、柔軟な働き方とやりがいを求めつつ、収入の変動に対して計画的に対応することが求められます。

関連記事:タクシー運転手の給料収入と足切り及び公出について現役乗務員が解説

私が勤める福岡市のタクシー会社での実例を紹介

私がお世話になっているタクシー会社に渕上主任(現在満74歳)という元警察官がいます。

お訊きしたところ、渕上さんはかなり若い頃に警察官という仕事が自分には向いてないと感じタクシー会社に転職されたとのことです。

採用は面接時に即決定となり、すぐにタクシー運転手としてスタートされたようですが、2〜3年経った時に会社から管理職として再雇用の打診があったそうです。

その後出世コースに乗り数年後には現在私が勤める会社の所長になられました。

業績を順調に伸ばし会社からの信頼も厚い所長でしたが、約10年ほど前に軽い脳梗塞になり自ら所長職を降りられたとのこと。

以降現在まで主任職ですが、元警察官なので道路交通法やその関連法にはとても詳しく、また元所長なのでタクシーの仕事に関係する諸事に精通されています。

運転手さん達の信頼も厚く、私などは何があってもまず渕上主任に訊くようにしています。

このように警察官というバックグランドがある場合、やはりタクシー会社としては重宝する存在かなという気がします。

まとめ

警察官からタクシー運転手への転職が注目される理由

  1. 安全運転・交通知識が活かせる: 警察官の交通ルールの理解や安全運転の意識が高く評価される。
  2. 対応力と冷静な判断力: 緊急事態への対応力がタクシー運転手としても役立つ。
  3. 柔軟な働き方とキャリアの安定: 年齢に関係なく働ける職業であり、安定した収入が期待できる。
  4. 社会的信用と信頼性の高さ: 元公務員としての信頼性が顧客やタクシー会社に評価される。

タクシー運転手への転職ステップ

  1. 資格の確認と取得: 第二種運転免許の取得が必要。
  2. タクシー会社のリサーチと応募: 自分に合ったタクシー会社を探し、応募する。
  3. 健康診断と二種免許取得の準備: 健康診断を受け、免許取得の準備をする。
  4. タクシー会社での研修と実務経験: 研修を受け、実務経験を積む。

必要な資格と研修内容

  • 第二種運転免許: 旅客を運送するための特別な免許。
  • タクシー運転者登録: 適性診断と法令試験の合格が必要。
  • 研修内容: 接客マナー、地理知識、車両メンテナンス、料金システムの操作、安全運転技術など。

転職後の収入比較

  • 警察官: 年収約600万円〜800万円、安定した収入。
  • タクシー運転手: 年収約300万円〜500万円、歩合制で収入が変動。

実例紹介

福岡市のタクシー会社で働く元警察官の渕上主任(74歳)の例を紹介。

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