こんにちは。タクシードライバー歴7年、現在70歳のヤヌスです。
いま2024年12月、国会では「自動車関連の税制見直し」が大きな注目を集めています。51年間維持されてきたガソリンの旧暫定税率が廃止される一方で、その結果生じる“年間1.5兆円の税収減”をどう補うのかが大きな争点となっています。
さらに、ここ数年たびたび取り沙汰されてきた「走行距離課税」も再び注目され、タクシー業界への影響がまぬがれないのではないかという見方が広がっています。
結論:タクシーにとって今回の税制改正は、短期的には燃料費の負担減につながる一方、中長期的には「走行距離課税」が導入されれば大幅な負担増のリスクがあります。
この記事では、最新のYahoo!ニュースで報じられた内容を整理しながら、**タクシードライバー目線で今回の税制議論がどんな影響をもたらすのか**をわかりやすく解説します。
この記事でわかること:
- 旧暫定税率廃止で生まれる「1.5兆円の税収減」とその背景
- 国会で問題視された日本の自動車「過重課税」構造
- 再燃する「走行距離課税」がタクシーに及ぼす影響
- 税制が変わる時代に、ドライバーが今からできる備え
1. 朗報のようで注意が必要:暫定税率廃止と「1.5兆円の穴」
ガソリンに1リットルあたり25.1円上乗せされていた旧暫定税率が、2024年12月31日でついに廃止されます。ドライバーにとっては朗報ですが、その裏側では「税収が年間1.5兆円減る」という重大な問題が浮上しています。
1.1 なぜガソリン価格は一気に下がらないのか?政府の“ならし運転”
暫定税率が廃止されても、翌日から25.1円下がるわけではありません。政府は価格急変による混乱を避けるため、石油元売り企業への補助金を一時的に増やし、価格の変動をゆるやかにする方針を示しています。
1.2 放置されるわけがない「1.5兆円」の巨額財源問題
政府は税収減について「法人税優遇の見直しなどで対応」と説明していますが、具体的な議論の期限は「おおむね1年をめど」という曖昧な表現に留まっています。これだけの規模の穴を放置する可能性は低く、どこかで新しい負担策が検討されるのは確実と見られます。
2. 国会でも問題視された日本の自動車「過重課税」
今回の議論では、日本のドライバーが負担している税金の多さ、いわゆる「過重課税」も改めて焦点となっています。
2.1 自動車にかかる税金はなんと9種類・年間9兆円
国民民主党の榛葉幹事長が国会で指摘したように、ヘリコプターには消費税しかかからないのに対し、日本の自動車には9種類もの税金が課されています。総額は年間9兆円に達し、税の仕組みの複雑さや二重課税の問題が議論されました。
2.2 欧米と比較しても日本の車体課税は突出して重い
JAFの資料によると、日本の車体課税はイギリスの約1.4倍、ドイツの約3.4倍、アメリカの約23.4倍と、主要国と比べても圧倒的に高い水準です。これはタクシー業界にとっても大きな負担となっています。
3. 個人タクシーが特に警戒すべき「走行距離課税」の再浮上
もっとも懸念されるのは、1.5兆円の穴埋めに「走行距離課税」が候補として再び浮上する可能性です。財務大臣は否定しているものの、火種は明らかに残っています。
3.1 EV普及でガソリン税が減る→「移動への課税」議論が加速
EVやハイブリッド車の普及が進むにつれてガソリン消費は減少し、ガソリン税収も減っています。走行距離課税は「ガソリンを使った量」ではなく「走った距離」に課税する仕組みのため、財源確保の選択肢として再び候補に挙がりやすい状況です。
3.2 タクシーの走行距離は圧倒的―負担増リスクは最大級
走行距離課税が導入されれば、一般ドライバーよりも走行距離が長いタクシーは、もっとも大きな税負担増になると予想されます。ガソリン税廃止で期待されるコスト減を相殺するどころか、むしろ負担が増える可能性さえあります。
まとめ:税制が大きく動く今、ドライバーが取るべき行動
ガソリンの旧暫定税率廃止は、今後の税制再編の“はじまり”にすぎません。1.5兆円の穴をどう埋めるかという議論のなかで、新たな税負担が浮上する可能性は十分あります。
タクシードライバーとしては、税制の動きを注視しつつ、負担が軽いうちに収益基盤を強化する準備をしておくべきです。たとえば、燃費の良い車両選びや、効率的な営業戦略の見直しは将来の備えとして非常に有効です。
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