こんにちは。70歳、現役タクシードライバーとして乗務を続けながら、運行管理者資格について学んでいるヤヌスです。
「運行管理者って、ドライバー経験があれば誰でも向いているんですか?」
これは、同僚や後輩からよく聞かれる質問です。
結論から言うと、運転経験が長い=運行管理に向いているとは限りません。現場を知っているからこそ強みになる人もいれば、逆にその経験が足かせになってしまう人もいます。
この記事では、運行管理という仕事を否定するのではなく、「ミスマッチを防ぐ」という視点から、運行管理に向いていないドライバーの特徴を現場目線で整理します。将来の選択肢を考えるうえで、「自分はどうか?」を冷静に判断する材料として読んでいただければ幸いです。
- 運行管理が「誰にでも向く、楽な内勤」ではない現実
- 感情や私情が判断を鈍らせてしまうタイプのリスク
- 現場の空気を優先しすぎる「なあなあ」管理の危険性
- なぜ書類や記録への丁寧さが、安全運行の生命線になるのか
- 「向いていない」と知ることが、なぜ将来の安心につながるのか
そもそも運行管理は「誰にでも向く仕事」ではない
運行管理は、単なる「運転の延長線上」にある仕事ではありません。求められるのは「責任」「的確な判断」「コツコツとした継続力」です。運転手としてどれだけ売上を上げ、事故がゼロであっても、管理職として適性があるかは全く別の話なのです。
運行管理に向いていないドライバーの特徴【現場目線】
運行管理に向いていない人の自己診断チェックリスト
以下に一つでも強く当てはまる場合、運行管理は想像以上にストレスになる可能性があります。
| チェック項目 | YES | NO |
|---|---|---|
| 事故やトラブルの話を聞くと、感情が大きく揺れてしまいがちだ | ||
| 理屈よりも「好き・嫌い」「合う・合わない」で人を見てしまうことが多い | ||
| 「自分も走っているのに、なんであいつらだけ」と思うことがある | ||
| 仲間のドライバーに対して、「ダメなものはダメ」と言うのが正直つらい | ||
| 書類や記録はつい「後でまとめて書けばいい」と考えてしまいがちだ | ||
| 細かい数字や日付の管理が苦手で、確認を後回しにしてしまうことが多い | ||
| 「うちの会社では昔からこうだから」と、慣習を優先してしまいやすい | ||
| 正しいルールより、その場の「空気」を壊さないほうを選びがちだ |
※YESが多いほど、運行管理という「管理側の役割」は精神的に負担が大きくなる可能性があります。
向き・不向きを知ったうえで、自分に合ったキャリアの形を考える材料にしてください。
※以下は「人格の良し悪し」ではなく、あくまで仕事の向き・不向きの話です。
感情を仕事に引きずってしまう人
事故の報告を受けた時、相手に同情しすぎてしまったり、イライラをそのままドライバーにぶつけてしまったり……。管理側には、どんな状況でも法令に基づいた「割り切り」が求められます。私情が判断に影響する人は、精神的な疲弊も大きくなります。
逆に、淡々と記録を積み上げられる人や、感情と判断を切り分けられる人は運行管理に向いています。
「自分も走っているのに」と思ってしまう人
現場感覚が強すぎるあまり、「これくらい大目に見てやろう」という線引きが甘くなるケースです。管理は「平等」でなければ組織が成り立ちません。仲間のドライバーに対して「ダメなものはダメ」と毅然と言えない人は、運行管理という立場が苦しくなるでしょう。
書類・記録を軽視してしまう人
「後で書けばいい」「これくらい省略しても大丈夫だろう」という性格の人は要注意です。運行管理の本質は“証拠を残す仕事”です。
小さな記録漏れが、万が一の事故の際に会社の命取りになることもあるからです。点呼記録簿の“未記入1行”が、事故時の説明責任に直結することもあります。
正解より“空気”を優先してしまう人
現場の「慣習」や「その場の空気」を優先し、法令を後回しにしてしまう人は非常に危険です。運行管理者は、時に嫌われ役になってでも法令を最優先する強さが必要になります。
これは人として優しいからこそ陥りやすい落とし穴でもあります。
向いていない=ダメ、という話ではない
ドライバーとして優秀でも管理に向かない人はたくさんいますし、それは少しも恥ずかしいことではありません。無理に自分を当てはめる必要はないのです。「現場を最後まで貫く」という決断も、また立派なプロの選択肢です。
なお、「向いていないかもしれない」と感じた方ほど、実際の運行管理補助の仕事や、資格を取った後の現実を知っておくことは無駄になりません。
まとめ|向き不向きを知ることが、将来の安心につながる
運行管理は「逃げ道」ではなく、一つの「役割の違い」です。向いていないと気づけたなら、別の備えをすればいいだけのこと。自分に合った形で、この大好きな業界にどう残るか。それを冷静に考えられること自体が、最大の収穫なのだと私は信じています。
