こんにちは。70歳、現役タクシードライバー歴7年のヤヌスです。
現役タクシー歴7年。この年月の中で私が辿り着いた結論は、運転の巧さや反射神経よりも、事故を防ぐのは「安全の設計(デザイン)」であるという事実でした。
「年をとったら危ない」「反応が遅いなら引退すべき」そうした世間の声に対し、私はハンドルを握り続けながら、現場で別の答えを出しました。
この記事は、私のサイトにあるすべての記事の根底に流れている“ヤヌス流・安全設計思想”そのものをまとめた、いわば旗印です。
この思想は、高齢ドライバーだけでなく、若手ドライバー、運行管理者、そして事故を減らしたいすべての現場に向けたものです。
ヤヌス流・安全設計の5大原則
- 迷いは安全:「どっちだ?」と止まれることが最大の防御である
- 条件としての低下:判断の遅さは欠点ではなく、設計の前提条件である
- 再現性の追求:「たまたま無事故」を捨て、「仕組みで無事故」を作る
- 自己修正力:衰えを“知恵”で書き換える力こそが武器になる
- プロの定義:速さではなく、余白を支配できる人が真のプロである
1. 「迷い」は安全バリアである
多くの人は「迷わず判断すること」を良しとします。しかし現場では、これは必ずしも正解ではありません。
迷いが生じた瞬間に、アクセルを緩められる。一呼吸置いて、減速や停止を選べる。その一瞬の迷いこそが、事故を防ぐ最後の安全装置になります。
迷いは衰えではありません。それは、経験によって獲得された高性能なセンサーです。
👉 「迷える運転手ほど事故を起こしにくい」という現場視点の記事はこちら
2. 判断の遅さは「設計の前提条件」にすぎない
適性検査で「判断が遅い」「反応が鈍い」と出ると、多くの人はネガティブに受け止めがちです。
しかし私は、それを設計図の寸法として扱います。
「このくらいの速度まで落としなさい」「これだけの車間距離を確保しなさい」そう読み替えれば、数値は敵ではなくなります。
能力に合わせて設計を変えれば、リスクは限りなく小さくできます。
3. 「再現性」を捨てた運転は、いずれ破綻する
若い頃は、感覚や勢いで何とかなる場面もあります。しかしそれは「たまたま事故を起こしていない」だけかもしれません。
年齢を重ねても続けられる運転とは、誰がやっても同じ結果になる設計を持った運転です。
・速度は毎回同じ基準
・判断ポイントは固定
・危険場面では必ず減速
再現性のない安全は、必ずどこかで破綻します。
4. 若さより「自己修正力」を尊ぶ
衰えを嘆く時間は、正直に言って無駄です。
重要なのは、今の自分の能力を正確に把握し、それに合わせて運転を修正できるかどうか。
この自己修正力は、年齢を重ねるほど磨かれます。ベテランの強さは、ここにあります。
5. プロとは「余白」を支配できる人のこと
車列の隙間に飛び込むのが若さなら、十分な余白が生まれるまで待てるのがプロです。
安全は、常に余裕という名の設計から生まれます。速さではなく、余白。それを支配できる人が、長く現場に立ち続けられます。
まとめ|「安全設計」という生き方
運転は、人生とよく似ています。
自分の現在地(能力)を正しく知り、それに基づいた無理のない計画(設計)を立てる。
高齢=危険という単純なラベリングに、私はこれからも設計力で抗っていきます。
安全とは才能ではありません。思想であり、設計であり、生き方です。
このサイトにあるすべての記事は、その証明です。

