【現役プロが解説】高速道路で右車線を走り続けると違反?タクシードライバーが絶対にやらない理由

高速道路の右車線走行違反

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こんにちは。現役タクシードライバー歴7年、70歳のヤヌスです。

「高速道路で合流が怖いから」「すいているから」という理由で、一番右側の車線(追い越し車線)を走り続けた経験はありませんか?

実はこれ、法定速度を守っていても**「車両通行帯違反」**という交通違反に当たります。一般ドライバーにとっては「反則金6,000円と1点」かもしれませんが、**プロのタクシー運転手にとっては、その「たった1点」がキャリアを揺るがす致命的なリスク**となります。

この記事では、現役ドライバーの視点から、なぜ右車線走行を絶対に避けるのか、そしてこの違反がプロの収入にどれほどのダメージを与えるのかを徹底的に解説します。

この記事でわかること:

  • 高速道路の右車線(追い越し車線)を走り続けるのがなぜ違反なのか
  • プロのタクシー運転手が絶対に右車線に居座らない理由
  • 「たった1点」の違反がプロの収入や評価に与える深刻なダメージ
  • 未経験者が転職前に知っておくべき高速道路の基本ルール
  • あなたのキャリアを守る「安全意識の高い会社」の選び方

① なぜ高速道路で右車線を走り続けると違反になるのか

右車線(最も右側の車線)を走り続ける行為が違反になる根拠は、道路交通法第20条にあります。

この法律の原則は**「キープレフト(左側走行)」**です。多車線道路において、最も右側の車線は、原則として**「追い越し」または「右折」**のためにのみ使用が許されています。

したがって、「合流が怖い」「空いている」といった個人的な理由で右車線に居続けることは、**車両通行帯違反**となり、取り締まりの対象となります。

 ※道路交通法第20条では「追い越し等のやむを得ない場合を除き、最も右側の車両通行帯を継続して通行してはならない」と定められています。

② 現役タクシードライバーはなぜ右車線に居続けないのか

プロのタクシードライバーが右車線を追い越し以外で長時間走行しないのは、法令遵守の義務があるのはもちろんですが、それ以上にプロならではの現実的なリスクを避けるためです。

▶ 合流が多い場所でのプロの走行テクニック

合流地点で左車線(走行車線)を走り続けるのが苦手なドライバーは多いです。しかし、プロは合流前に速度と車間距離を調整し、**左車線内で安全に合流を助ける走行**を心がけます。やむを得ず追い越す場合でも、**追い越しが完了したらすぐに左側の走行車線に戻るのが鉄則**です。

明確な距離基準は法律上ありませんが、教習所では「目的なく右車線を500m以上走行すると減点対象」とされています。追い越し後は“できるだけ早く戻る”のが安全です。

▶ 右車線に居続けない3つの理由(警察・事故・評価)

  • 警察(取り締まり): 右車線は追い越し専用と警察も周知しているため、不当に走り続ける車両は目立ちやすく、取り締まりの対象になりやすいです。
  • 事故リスク: 右車線は速度域が高く、危険な追い越し車両が多いため、長時間の走行は事故リスクを高めます。プロはリスクの低い走行車線で営業します。
  • 会社評価・燃費: プロの運転評価では、車線変更の頻度や急ブレーキの有無がチェックされます。右車線に居続けることで発生する無駄な加減速は、評価や燃費に悪影響を及ぼします。

③ 「たった1点」がプロに与える現実的ダメージ

車両通行帯違反のペナルティは**反則金6,000円(普通車)と違反点数1点**です。この「たった1点」が、プロのキャリアに与えるダメージは計り知れません。

ダメージ項目 違反点数1点の現実
ゴールド免許の喪失 軽微な違反でも、次の更新でブルー免許となり、自動車保険の**ゴールド免許割引が適用されなくなり**家計に影響します。
二種免許の効力停止リスク 違反点数は累積されます。この1点がトリガーとなり、過去の違反と合わせて**免許停止や取り消し**となり、最悪の場合、職を失います。
会社からの評価・指導 会社はプロのドライバーに対し、無事故無違反を強く求めます。点数を取った事実は、乗務記録に残り、**昇進や優良乗務員選出の足枷**になります。

④ 転職前に知っておきたい「高速道路の基本ルール」

これからタクシー運転手を目指す方は、入社後の教習で高速道路の安全走行について学ぶことになりますが、以下の基本ルールを事前に意識しておきましょう。

  • キープレフトの徹底: 追い越しが終わったら、速やかに走行車線(左車線)に戻る。
  • 車間距離の確保: 速度が速い分、十分な車間距離を常に確保する。
  • 合流は加速車線で完結: 合流が怖いからと速度を落とすのではなく、加速車線で本線と速度を合わせ、スムーズに合流する。

⑤ 安全意識の高い会社を選ぶ重要性

プロとして長く活躍するためには、「稼げる」だけでなく、「安全への意識が高い」会社を選ぶことが重要です。安全教育が徹底されている会社は、ドライバーの法令遵守意識も高く、結果的に事故や違反リスクも低くなります。

転職エージェントは、企業の研修体制や、過去の違反に関する指導体制など、**内部の安全管理状況**を熟知しています。あなたの安全を守り、長く働ける会社を探す上で、専門家への相談は必須です。

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まとめ|プロの運転は「法律と安全」が土台

高速道路での「車両通行帯違反」は、プロとしての自覚に欠ける行為です。安全な運転は、あなたの収入とキャリアを守る**最大の防御策**です。

法定速度を守るだけでなく、**「プロとして最も安全で合理的、かつ法律に則った運転」**を心がけましょう。

私自身、長くこの仕事を続けてきて痛感するのは、「稼ぐ運転」より「失わない運転」のほうが、結果的に人生を守ってくれるということです。

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