こんにちは。現役タクシー歴7年、70歳のヤヌスです。
タクシー運転手は、定年退職後も長く活躍できる数少ない職業ですが、年齢を重ねるにつれて「体力が持つか」「安全運転を続けられるか」「免許更新はどうなるか」といった不安は増す一方です。
私も70歳を超えてなお現役ドライバーとして第一線で働く中で、いかにして体調を維持し、安全な運行を継続するかが、この仕事の寿命を決めると痛感しています。
本記事では、高齢ドライバーが「免許返納」のプレッシャーに負けず、安全かつ高効率で働き続けるための具体的な「健康法」と「実務戦略」を、現場の鉄則に基づいて解説します。自分の体とキャリアを長く守り抜くための必読ガイドです。
この記事でわかる高齢ドライバーの鉄則:
- ・体力の低下を補うための「睡眠・休憩戦略」と具体的な健康法。
- ・高齢者特有の「安全運転リスク」をゼロにするための実務的対策。
- ・75歳以上の「免許更新」や「認知機能検査」など、キャリア継続のための法的義務。
1. 70歳現役ドライバーの「体力維持」3つの鉄則
タクシー運転手の仕事は座り仕事ですが、不規則な勤務や精神的ストレスが体力を奪います。年齢を重ねるほど、より戦略的な体調管理が求められます。
1-1. 質の高い睡眠を確保する「勤務シフト戦略」
日勤、夜勤、隔日勤務によって生活リズムが崩れがちな高齢ドライバーにとって、最も重要なのは睡眠です。特に深夜勤務明けは無理せず、必ず十分な睡眠時間(7~8時間)を確保してください。また、勤務前に仮眠(20分程度)を取ることで、運転中の集中力低下を防ぐことができます。
1-2. 休憩時間を利用した「ストレッチとウォーキング」
長時間座っていると血行が悪くなり、腰痛やエコノミークラス症候群のリスクが高まります。休憩時間には必ず車を降り、ストレッチや軽いウォーキングを10分程度行ってください。特にふくらはぎを動かす運動は、疲労回復と集中力の維持に非常に有効です。
1-3. 疲労回復に特化した「食事と水分補給」の戦略
勤務中は缶コーヒーやエナジードリンクに頼りがちですが、急激な血糖値の上昇はかえって集中力を低下させます。休憩時には、タンパク質やビタミンを含む軽食(ナッツ類やヨーグルト)を選び、カフェイン摂取を控えめにすることが、体力の持続に繋がります。
2. 高齢ドライバー特有の「安全運転」リスクと対策
経験豊富な高齢ドライバーだからこそ、過去の経験に頼りすぎず、年齢による身体能力の変化を補う運転戦略が必要です。
2-1. 視野の狭窄と視力低下を補う運転技術
年齢を重ねると、周辺視野が狭くなったり、暗闇での視力が低下したりします。これを補うため、運転中は意識的に目を動かし、ミラーや周囲を頻繁に確認する「広範囲な視線移動」を徹底してください。また、夕暮れ時や夜間の走行は特に慎重に行動しましょう。
2-2. 「反応速度の低下」を考慮した安全車間距離
統計的に、高齢になるほど突発的な事態への反応速度は遅くなります。これを自覚し、常に法定速度を守り、十分な車間距離(若年層よりさらに長め)を確保することが、事故リスクをゼロにする最大の防御策です。
2-3. 混雑エリアを避ける「体力温存」営業戦略
長時間の集中力が必要な都心や繁華街の混雑時を避け、比較的交通量の少ないエリアや、流しよりもアプリ配車に比重を置くことで、運転の負荷を軽減できます。体力温存のための賢い営業戦略は、安全運転にも直結します。
3. 免許更新/キャリア継続のための「法規と実務」
70歳を超えると、免許更新や健康診断に関する法的義務や会社の規則が増えます。これらの要件をクリアすることが、長く働き続けるための大前提です。
3-1. 75歳以上の「認知機能検査」と対策
75歳以上の運転免許更新時には、必ず「認知機能検査」を受ける必要があります。日頃から脳トレや規則正しい生活を心がけることはもちろん、検査対策のテキストを活用し、事前に準備をしておくことで不安を解消できます。
認知機能検査とは?
75歳以上の運転免許更新時に義務付けられている検査です。記憶力や判断力の状態を客観的に測ることを目的としており、「手がかり再生(ヒントを元に言葉を思い出す)」「時間の見当識(検査時の年月日や曜日を把握する)」「イラストの模写」などの設問で構成されています。この検査結果によって、その後の講習の内容や、医師の診断の必要性が決まります。
3-2. 法定の特定健診と会社指定の健康診断
タクシー運転手には、一般的な健康診断に加え、特別な健康診断が義務付けられている場合があります。会社指定の健診や、75歳以上を対象とした特定健診は必ず受診し、診断結果で異常が見つかった場合はすぐに会社や医師に相談することが、プロとしての責任です。
3-3. 燃料費負担率と「足切り額」の再検討
若手時代とは異なり、高齢期には体力維持のための休憩や短時間勤務が必要になる場合があります。燃料費の自己負担が少なく、無理のない「足切り額」(売上ノルマ)を設定している会社を選ぶことは、長く無理なく働くための重要なキャリア戦略となります。
まとめ:70歳現役は「戦略的な自己管理」で実現する
高齢タクシー運転手が長く、安全に活躍し続けるためには、体力・健康・安全運転・法規遵守のすべてにおいて、**戦略的な自己管理**が不可欠です。
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