こんにちは。70歳、現役タクシードライバー歴7年のヤヌスです。
「高齢ドライバーは危ない」
いつの間にか、それが前提条件のように語られるようになりました。免許返納の議論、連日の事故報道、そして社内での配置判断――。
しかし本当に、高齢であること自体が「危険」なのでしょうか。私は70歳を超えて現役でタクシーに乗務しながら、適性検査も定期的に受けています。その中で、ある強い違和感を持つようになりました。それは、「検査結果の数値」と「現場で起きている事故リスク」が、必ずしも一致していないということです。
この記事では、適性検査データと現場感覚のズレを整理しながら、「高齢ドライバー=危険」という一括りが、管理判断として本当に正しいのかを考えていきます。
- 世間に広まる「高齢者=危険」というラベリングの裏側
- 適性検査の数値に表れない「予測力」と「事故率」の関係
- 年代別の適性データ比較から見える、真のリスクポイント
- 運行管理者が「年齢」で切る前に見るべき、ドライバーの資質
- ベテランを排除せず、安全資産として活かす会社の共通点
なぜ「高齢ドライバー=危険」という認識が広まったのか
メディアでの過度な事故報道や免許返納の推奨により、世間には強い先入観が植え付けられました。管理者側にとっても、「年齢」という分かりやすい指標で判断することは、個人の特性を細かく見るよりも「判断コスト」を下げられるという側面があります。しかし、その雑なラベリングが貴重な労働力を失わせている現実があります。
適性検査は何を測っていて、何を測っていないのか
検査結果が「事故」と直結しない理由
適性検査は主に「瞬間的な反応スピード」や「注意配分」を測ります。しかし、実際の運転で事故を防ぐのは「速度」だけではありません。長年の経験による「危険予測」や「無理をしない決断」は、現行の簡易的な検査数値には表れにくいのです。速く反応できる若手が、過信ゆえに事故を起こすケースが多いのも、このためです。
適性検査データから見えた“年齢別の傾向と誤解”
年代ごとのリスクは、以下のように特徴が異なります。高齢層の「低スコア」は、実は「慎重さ」の裏返しであることも多いのです。
| 年代 | 数値評価の傾向 | 現場リスクの傾向 |
|---|---|---|
| 若年層 | 高(瞬発力あり) | 無理な判断・過信による事故 |
| 中年層 | 中(バランス型) | 慣れによる確認の省略 |
| 高齢層 | 低(慎重・遅め) | 自覚なき身体能力低下→ 配置・時間帯設計で十分に補えるリスク |
管理者が「高齢=危険」と判断した瞬間に失っているもの
管理者が本当に見るべきは年齢ではなく、ドライバーの「自己修正力」です。自分の衰えを認め、夜勤やラッシュ時の配置を柔軟に相談できるベテランは、会社にとって大きな安全資産になります。管理とは「排除すること」ではなく、特性を理解して「適切に調整すること」なのです。
高齢ドライバーの事故リスクは、「年齢」ではなく「放置」によって高まります。特性を把握し、配置と役割を設計できるかどうかが、管理者の力量そのものです。
あなたの会社では、高齢ドライバーを「危険要因」として見ていますか?それとも「設計すれば活かせる安全資産」として扱っていますか?
まとめ|「年齢」はリスクではなく、設計条件の一つ
高齢=危険ではありません。真に危険なのは、ドライバー自身の「無自覚」と、管理者側の「雑な一律判断」です。年齢を条件の一つとして捉え、それに基づいた安全設計を行えば、70代でもプロとして十分に輝き続けることが可能です。
