タクシー運転手に求められる安全運転には心構えと技術の両方が必要です。
この記事では、タクシー運転手になって5年の間無事故無違反で活躍している現役タクシードライバーである私が、安全運転のポイントを徹底解説します。
現役運転手である私が実践してきた心構えとテクニックを紹介し、職業ドライバー、二種免許取りたての人、交通事故を経験した人に向けて役立つ情報を提供します。
タクシーサービスは 1に安全 2に確実 3に迅速が基本
1.安全 : 安全が最優先される理由は明確です。
タクシーは乗客の命を預かる仕事であり、どんなに急いでいても事故を起こしては元も子もありません。
安全運転は乗客だけでなく、ドライバー自身や他の道路利用者の安全も守ります。
2. 確実 : 確実性は次に重要です。これは目的地に間違いなく到着することを意味します。
ルートを間違えたり、道に迷ったりすることは、プロのドライバーとしての信頼を損ねます。
GPS navigation(ナビ) システムの活用や、地理知識の充実が求められます。
3.迅速: 最後に迅速さですが、これは安全と確実性を犠牲にしない範囲で追求すべきものです。
効率的なルート選択や、交通状況に応じた柔軟な対応が求められますが、決して無理をしてはいけません。
この3つの要素をバランス良く実践することで、高品質なタクシーサービスを提供できます。
常に乗客の安全と満足を第一に考え、プロフェッショナルとしての誇りを持って仕事に臨むことが大切です。
5つ危険な状況の組み合わせに注意
タクシーサービスにおいて、複数の危険要因が重なると事故リスクが急激に高まります。
以下に、特に注意すべき危険な状況の組み合わせを具体的に解説します。
1.悪天候と交通渋滞 : 雨や雪などの悪天候時には視界が悪くなり、道路が滑りやすくなります。
このような状況で交通渋滞が発生すると、急ブレーキや急ハンドル操作が必要になることがあり、事故のリスクが高まります。
2.夜間運転と疲労: 夜間の運転は視界が制限されるため、歩行者や他の車両を見落とす可能性が高くなります。
さらに、長時間の運転による疲労が加わると、反応速度が遅くなり、事故のリスクが増します。
3.高齢者や障害者の乗降と急な運転操作: 高齢者や障害者が乗降する際には、特に注意が必要です。
急な運転操作や急ブレーキは、乗客がバランスを崩して転倒する原因となります。
4.繁華街での運転と酔客: 繁華街では多くの人が行き交い、特に夜間には酔客が増えます。
酔客が突然道路に飛び出すことがあり、運転手は常に注意を払う必要があります。
5.狭い道路と対向車: 狭い道路では対向車とのすれ違いが難しく、特に大型車両が対向してくる場合には、運転技術が試されます。
適切な速度と距離を保つことが重要です。
流れに乗ることで安全運転を実現
1.交通の流れに乗ることは車同士が同じ方向、同じ速度で走る状況を維持することを意味します。
これにより、車同士の衝突リスクが大幅に減少します。
例えば、同じ速度で同じ方向に走っている車同士が衝突することは理論上あり得ないため、事故の発生を防ぐことができます。
2.交通の流れに乗ることで、急なブレーキや加速を避けることができ、これが結果的に燃費の向上にもつながります。
急な操作は燃料消費を増やすだけでなく、車両の部品にも負担をかけるため、メンテナンスコストの増加を招く可能性があります。
3.交通の流れに乗ることは、他のドライバーとのコミュニケーションを円滑にし、予測可能な運転を実現します。
これにより、他のドライバーが自分の動きを予測しやすくなり、全体的な交通の安全性が向上します。
4.交通の流れに乗ることは、ドライバー自身のストレスを軽減する効果もあります。
スムーズな運転は、ドライバーの精神的な負担を減らし、長時間の運転でも疲れにくくなります。
しかし、「流れに乗る」ことと「危険な流れに従う」ことは別物です。
法定速度を超えている流れや、危険な運転をしている集団には決して同調してはいけません。
車線変更、右折、バックの注意点
1.車線変更時の注意点:車線変更を行う際には、まず周囲の交通状況をしっかりと確認することが重要です。
ミラーを使って後方や側方の車両を確認し、死角に車がいないかを確かめましょう。
また、ウィンカーを早めに出して他のドライバーに意図を伝えることも大切です。急な車線変更は避け、スムーズに行うよう心掛けましょう。
2.右折時の注意点:右折時には、対向車や歩行者に十分注意を払う必要があります。
交差点に進入する前に、対向車の動きを確認し、歩行者が横断していないかを確認しましょう。
右折専用レーンがある場合は、早めにそのレーンに移動し、信号や標識に従って安全に右折を行います。
3.バック時の注意点:バックをする際には、周囲の状況をしっかりと確認することが不可欠です。
ミラーだけでなく、直接後方を目視で確認し、障害物や歩行者がいないかを確認しましょう。
バックカメラがある場合でも、目視での確認を怠らないようにします。
また、ゆっくりと慎重に操作し、急な動きは避けるようにしましょう。
これらのポイントを守ることで、安全な運転ができるようになります。
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ドライブレコーダーの設置で安全運転をサポート
タクシー運転手にとって、ドライブレコーダーは乗客の安全と自身の安全を守るための重要なツールです。設置することで、以下のようなメリットがあります。
1.事故情報の収集:タクシー運転中に事故が発生した場合、ドライブレコーダーの映像は非常に重要な証拠となります。
事故の状況を正確に記録することで、責任の所在を明確にし、トラブルを迅速に解決する手助けとなります。
特に、乗客が同乗している場合、正確な記録が求められます。
2.乗客とのトラブル防止:ドライブレコーダーは、乗客とのトラブル防止にも役立ちます。
乗客との会話や行動を記録することで、不当なクレームやトラブルを未然に防ぐことができます。
また、乗客に対しても安心感を提供することができます。
3.運転習慣の改善:ドライブレコーダーを設置することで、自分の運転を客観的に見直すことができます。
映像を確認することで、無意識に行っている危険な運転習慣を発見し、改善することができます。
これにより、安全運転の意識が高まり、事故のリスクを減少させることができます。
4.防犯対策:タクシーは常に移動しているため、いたずらや盗難のリスクもあります。
ドライブレコーダーが設置されていることを示すステッカーを貼ることで、不審者に対する抑止力となり、車両の安全を守ることができます。
5.保険料の割引:一部の保険会社では、ドライブレコーダーを設置している車両に対して保険料の割引を提供しています。
安全運転をサポートするだけでなく、経済的なメリットも享受できるのです。
まとめ
- タクシーサービスの基本:
- 安全: 乗客の命を預かるため、最優先されるべき。
- 確実: 目的地に間違いなく到着すること。
- 迅速: 安全と確実性を犠牲にしない範囲で効率的に。
- 危険な状況の組み合わせに注意:
- 悪天候と交通渋滞
- 夜間運転と疲労
- 高齢者や障害者の乗降と急な運転操作
- 繁華街での運転と酔客
- 狭い道路と対向車
- 流れに乗ることで安全運転を実現:
- 交通の流れに乗ることで衝突リスクを減少。
- 急な操作を避け、燃費向上とメンテナンスコスト削減。
- 他のドライバーとのコミュニケーションを円滑に。
- ドライバーのストレス軽減。
- 車線変更、右折、バックの注意点:
- 周囲の交通状況を確認し、スムーズに行う。
- 対向車や歩行者に注意し、安全に右折。
- 目視での確認を怠らず、慎重にバック。
- ドライブレコーダーの設置で安全運転をサポート:
- 事故情報の収集
- 乗客とのトラブル防止
- 運転習慣の改善
- 防犯対策
- 保険料の割引