こんにちは。70歳、現役タクシードライバー歴7年のヤヌスです。
タクシードライバーの仕事は、年齢や事故リスクと無縁ではありません。
しかし、だからといって「運転をやめる」か「辞める」かの二択しかないわけではありません。
近年、タクシー業界ではドライバー不足だけでなく、内勤・管理側の人手不足も深刻になっています。実際、長年ハンドルを握ってきたドライバーが、運行管理者補助として雇用を継続するケースも増えています。
※会社によっては「運行管理補助」「点呼補助」など呼称が異なりますが、実務内容はほぼ共通しています。
この記事では、「運行管理者資格を持つタクシードライバー」という視点から、現場を離れずに将来の安心を確保する考え方を、実例とともに解説します。
- タクシードライバーが抱える「年齢・事故・体力」という現実への対策
- なぜ今、タクシー業界で「現場を知る運行管理者」が求められているのか
- 資格を“現役時代”に取っておくことが、最強の「保険」になる理由
- 万が一、ハンドルを置かなければならない状況になっても「詰まない」考え方
- 運行管理者資格がもたらす、社内評価と働き方の選択肢の変化
タクシードライバーの将来は「運転を続ける」だけではない
どれほど運転が好きでも、視力の低下や反射神経の衰え、あるいは予期せぬ事故など、いつか「ハンドルを置く日」について考えざるを得ない時が来ます。
多くの場合、それは「引退」か「他業種への転職」という極端な二択になりがちです。しかし、業界内には「管理・サポート側として残る」という第三の道が存在します。その鍵を握るのが、運行管理者資格です。
現場経験者が運行管理に向いている決定的な理由
運行管理者の仕事は、単なる書類作成ではありません。ドライバーの体調を気遣い、安全を指示し、時にはトラブルの対応をします。
- ドライバー心理を理解している: 無理な配車や机上の空論ではなく、現場の疲労度や道路状況を汲み取った的確なアドバイスができます。
- 事故やヒヤリハットを現実的に判断できる: 73万kmの経験があれば、報告書に書かれない「現場の空気感」を察知し、未然に事故を防ぐ指導が可能です。
「現場が分かる人」が管理側にいる。これほど会社とドライバー双方にとって心強いことはありません。
「資格を持つ現役」という最強の立ち位置
この資格は、何も「今すぐ内勤に変わるため」だけのものではありません。
現役ドライバーとして走りながら資格を保持する、この“重ね持ち”が強いのです。万が一、軽い事故や健康不安で一時的にハンドルを置くことになっても、資格があれば「補助者」として内勤を手伝いながら雇用を維持し、復帰を待つといった柔軟な働き方が可能になります。

※写真は、筆者が実際に運行管理者適性検査会場で撮影した掲示物です。試験問題や出題内容を示すものではなく、会場の雰囲気や現場の実情を伝える目的で掲載しています。
運行管理者試験の会場には、ドライバー経験者を前提とした掲示や案内が多く見られました。これは、運行管理という仕事が単なる「机上の資格」ではなく、現場経験を活かせる内勤職であることを示しています。
タクシー運転手として培った安全意識や運行感覚は、運行管理者という立場に移ってからも大きな武器になります。「運行管理者資格を持つタクシードライバー」という選択肢は、現場を離れる日のための現実的な備えと言えるでしょう。
運行管理者資格取得の流れ(タクシードライバー向け)
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 資格の種類を確認する | タクシー・バス・ハイヤーなどの旅客業の場合は、「運行管理者(旅客)」が対象となります。 自分の勤務先(タクシー会社など)が該当するか、まずは確認しておきましょう。 |
| ② 勉強方法を決める | 独学(市販テキスト+過去問)、講習会受講、通信講座などから自分の生活リズムに合う方法を選びます。 過去問の反復が合格への近道になります。 |
| ③ 試験に申し込む | 年数回実施される試験日程を確認し、インターネットまたは郵送で申し込みます。 乗務シフトとの兼ね合いを考え、余裕のある試験日を選ぶのがポイントです。 |
| ④ 試験当日を迎える | 会場では、受付・本人確認の後に試験が行われます。 旅客運送の法令・安全管理・運行計画など、実務に直結する内容が出題されます。 |
| ⑤ 合格後の手続き | 合格通知を受け取ったら、指定の手順で資格登録の手続きを行います。 勤務先の会社と相談しながら、将来の運行管理補助・内勤シフトのイメージを共有しておくとスムーズです。 |
※「現役ドライバーとして走りながら資格を取る」ことで、将来の選択肢と社内での評価が大きく変わります。
資格を取っておくことで得られる3つの安心
- 万一の備え: 体力の限界や事故のリスクを「無職になる恐怖」ではなく「役割を変える機会」に変えられます。
- 「引き止められる側」になる: 資格保持者は貴重です。会社にとって、現場と法規の両方を知る人間は手放したくない存在になります。
- 働き方を選べる: 「週3日は乗務、週2日は管理補助」といった、年齢に合わせた多様な働き方の交渉材料になります。
まとめ|現場を知る人こそ、次の一手を持っておく
私は70歳、今も現役で福岡の街を走るのが大好きです。しかし、同時に「次に何ができるか」を準備しておくことが、プロとしての本当の余裕を生むのだと実感しています。
運行管理者資格は、いつか来る「その時」のための、自分への最高のプレゼントです。今の仕事を否定するのではなく、今の仕事を「長く、安心して続けるための準備」として、次の一手を考えてみてはいかがでしょうか。
「まだ先の話」と思える今こそ、資格取得を検討するには最もリスクが低いタイミングです。

