タクシー運転手に向く人と向かない人の違いと特徴を現役乗務員が解説する

安全運転の指針標語 運転免許

どんな仕事にも向き不向きがあるように、タクシー運転手という業務にも向き不向きがあります。

簡単に言えば、無事故、無違反、クレーム無しで業務を遂行できるか否か。

この記事では性格や心構えをテーマに、現役タクシー乗務員の私の考えを述べてみます。

これからタクシー運転手を目指そうと考えている人には必ず役立つ内容です。

タクシー運転手に向いている人の特徴

タクシー運転手に向いている人の主な共通点は以下の通りです。

人と接することが好き

  • お客様と適度な会話ができ、気持ちよく過ごしていただけるよう気配りができる人に向いています。
  • お客様の様子を見て、静かにしていたい時は黙って、会話を求めている時は世間話をするなど、臨機応変な対応ができる社交的な人が適しています。

一人の時間が苦にならない人

  • 乗務中は長時間一人で過ごすことが多いため、一人の時間が苦にならず、淡々と仕事をこなせる人が向いています。
  • お客様を探しながら走行するので、会社の同僚と協力する仕事とは異なり、一人で過ごす時間が長くなります。

ストレスに強い人

  • 長時間の運転と集中力が求められるため、ストレスに強い人が適しています。
  • お客様への対応でストレスを感じることもあるので、ストレス耐性が高い人に向いています。

運転が好きな人

  • 運転が仕事の中核なので、運転が好きで安全運転に集中できる人が向いています。

このように、人と接することが好き、一人の時間が苦にならない、ストレスに強く、運転が好きな人がタクシー運転手に共通して向いている特徴と言えます。

タクシー運転手に向いていない人の特徴

タクシー運転手に向いていない人の主な特徴は以下の通りです。

運転が嫌いな人

  • タクシー運転手の仕事の大半は運転なので、長時間に渡る運転が嫌いな人には向いていません。

コミュニケーション力が低い人

  • 乗客とのコミュニケーショ ンが欠かせないため、コミュニケーション力が低い人は向いていません。

忍耐力がなく怒りっぽい人

  • 乗客から暴言を受けること(いわゆるカスハラ)もあり、感情的にならない忍耐力が必要です。怒りっぽい人は向いていません。

注意力が散漫な人

  • 安全運転には高い集中力が求められるため、注意力が散漫な人は向いていません。

1人の時間が苦手な人

  • 乗客がいない時間が長く、1人の時間が苦手な人は向いていません。

要するに、運転が嫌い、コミュニケーション力が低く、忍耐力がなく、注意力が散漫で、1人の時間が苦手な人はタクシー運転手に向いていないと言えます。

タクシー運転手に向く人向かない人の7項目比較

以下は、タクシー運転手に向く人と向かない人の特徴を7項目にわたって比較した表です。

項目 向く人 向かない人
1. 方向感覚 優れた方向感覚と道路知識がある 方向音痴で道を覚えるのが苦手
2. ストレス耐性 交通渋滞や難しい客にも冷静に対処できる ストレスに弱く、イライラしやすい
3. 接客態度 フレンドリーで親切、多様な客に適応できる 人見知りで、接客が苦手
4. 時間管理能力 効率的なルート選択と時間管理ができる 時間管理が苦手で、よく遅刻する
5. 運転技術 安全運転を心がけ、事故歴が少ない 運転が荒く、事故を起こしやすい
6. 体力・健康 長時間の運転と不規則な勤務に耐えられる 体力がない、または持病がある
7. 瞬時の判断力 交通状況の変化に素早く対応できる 判断が遅く、急な状況変化に弱い

もちろん、初めからタクシーの運転業務に完璧な適性がある人はいません。

しかし、事前にどのような能力や性格が必要かを知ることはとても重要なことです。

なので、タクシー運転手を目指す人はまずは上の表を見ながらご自身の適性を冷静に判断してみることです。

参考記事 : タクシー運転手の一日の仕事内容と流れ(出庫入庫流しなど)を現役乗務員が語る

現役タクシー乗務員の私の心掛け

タクシー運転手の仕事とは、簡単に言えば、無事故無違反クレーム無しでなるだけ多くの運収(売り上げ)を上げて無事会社に戻ってくることです

私の場合、毎日出庫と同時にタクシー車内で次の言葉を声を出して自分自身に言い聞かせています。

安全運転の六か条】

  • 急がない
  • 焦らない
  • 慌てない
  • イライラしない
  • 行こう行こうとしない
  • 競わない

「行こう行こうとしない」とは、信号が変わる時や右左折したい時に、行きたい気持ちを抑えて無理に行こうとしないということです。

「競わない」とは、他の車から割り込まれそうになった時などにも、そのまま譲って事故を防ぐ運転に徹するという意味です。

繰り返すと、タクシー運転手の仕事とは、無事故無違反クレーム無しでなるだけ多くの運収(売り上げ)を上げて無事会社に戻ってくることなので、それ以外の事情や心理はすべて忘れることにしています。

タクシー運転手を目指す人は是非この心掛けを忘れないようにしてください。

まとめ

タクシー運転手に向いている人とは、

  • 人と接することが好きでコミュニケーションが巧い。
  • 一人の時間が苦にならない。
  • 交通渋滞などのストレスに強い。
  • カスハラなどにも鷹揚に対応できる。
  • 運転が好きな人。

一方、タクシー運転手に向いていない人とは、

  • 長時間運転が苦手。
  • 一人で仕事することが不安。
  • コミュニケーション力が低い。
  • 忍耐力がなく怒りっぽい。
  • 注意力が散漫で事故を起こしやすい。

つまり、タクシー運転手に必要な性格や心構えとは安全運転とお客様との円滑なコミュニケーションに必要な心がけのことです。

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