ドライブレコーダー映像の提出が義務化?タクシー運転手が教える『保険金不正請求』を見破る方法2025

ドラレコ映像の提出義務化?とともに起こりえる不正保険請求の危険性 トレンドニュース

こんにちは、現役タクシードライバー歴7年のヤヌスです。最近、私の周りのタクシー仲間と話していると、「また厄介な法律ができそうだ」という話題で持ちきりです。それが、**「事故時のドライブレコーダー映像提出の義務化」**です。

これは一見、事故解決をスムーズにする良い法律に思えますが、現場をよく知る私たちにとっては、ある大きなリスクを意味します。それは、「保険金をだまし取ろうとする不正請求が増える」ということです。

この記事では、ドライブレコーダー映像の提出義務化がなぜ危険なのか、そして、私たちが現場で培った経験をもとに、巧妙な「保険金不正請求」を見破る方法を解説します。

この記事でわかること:

  • ドライブレコーダー映像提出義務化の背景と現状
  • 「自損事故」に見せかける巧妙な手口とは
  • 現役タクシードライバーが見る「不正請求」のサイン
  • 万が一、不正請求の被害者になった場合の正しい対処法
  • あなたの保険を守るための実践的な対策

なぜ今、ドラレコ映像提出の義務化が議論されているのか?背景と不正請求の関連性

2025年に入り、警察庁と国土交通省は、一部の重大事故を対象に、ドライブレコーダーの映像提出を義務化する方向で議論を進めています。その背景には、以下のような目的があります。

交通事故の迅速な解決と原因究明

ドラレコ映像があれば、事故の瞬間が客観的に記録されるため、警察の捜査や保険会社の過失割合の判断が大幅に迅速化されます。これにより、被害者は早期に補償を受けられ、加害者も不必要な争いを避けられるというメリットがあります。

一方で増える「自作自演」の不正請求

しかし、私たちタクシー運転手は、この義務化が新たな問題を招くと懸念しています。それは、わざと事故を起こし、保険金をだまし取ろうとする「自作自演」の不正請求が増えるという点です。彼らは、あえてドラレコが記録する死角で事故を起こしたり、証拠を操作したりする可能性があります。

ベテランタクシー運転手が見抜く「保険金不正請求」のサイン

長年、路上を走ってきた経験から、事故の際に「何かおかしい」と感じる、不正請求のサインをいくつかご紹介します。

「自損事故」に見せかける手口

最も典型的なのが、他車との接触事故を「自損事故」だと主張する手口です。例えば、走行中に突然、車が路肩のガードレールにぶつかったと主張し、実はその直前にタクシーと接触していた、といったケースです。彼らは、タクシーのドラレコ映像に映らないように、絶妙なタイミングと位置で接触を仕掛けてきます。

負傷状況と事故状況の不一致

も不自然に軽い接触事故なのに、「むち打ちで首が痛い」「腰が動かない」といった大袈裟な負傷を訴える場合も注意が必要です。医師の診断書と照らし合わせて、本当にその程度の衝撃で重傷を負うものなのか、冷静に見極める必要があります。

事故後の不自然な行動

通常の事故被害者は動揺しているものですが、不正請求を企む人間は、やけに落ち着いていたり、逆に大声で騒ぎ立てたりと、不自然な行動を取ることがあります。特に、示談交渉の際にやけに「すぐに現金で解決したい」と急ぐようなら、疑ってかかるべきです。

万が一、不正請求の被害者になった場合の正しい対処法

もしあなたが不正請求の被害者になった可能性がある場合、冷静な行動が何よりも重要です。

1. すぐに警察と保険会社に連絡する

まず、その場で必ず警察に届け出をし、事故証明書を発行してもらいます。そして、すぐに保険会社に連絡し、不正請求の可能性があることを伝えてください。

2. 現場の証拠を可能な限り多く記録する

事故現場の状況をスマートフォンで撮影しましょう。相手の車のナンバー、損傷箇所、相手の態度、そして周囲の状況(信号機、道路標識など)を撮影します。あなたの車のドライブレコーダーも、映像が上書きされないように、すぐにSDカードを抜き取っておきましょう。

3. 安易に示談に応じない

その場で「お金を払うからなかったことに」といった示談話を持ちかけられても、絶対に応じないでください。一度でも示談に応じると、後から追加の請求をされたり、保険が使えなくなったりするリスクがあります。

あなたの保険を守るための実践的な対策

不正請求から身を守るために、私たちが現場で実践している対策を2つご紹介します。

信頼できる弁護士特約の活用

不正請求を疑った場合、まずは弁護士に相談することが最も確実です。弁護士特約は、弁護士費用を保険会社が負担してくれるため、自己負担なしで専門家に相談できます。

関連記事:弁護士特約は使うべきか?示談交渉で逆効果になるケースと正しい使い方

人身傷害保険の重要性を再認識する

不正請求は、相手の「無保険車傷害保険」が使えないケースも多々あります。そうした状況に備えるためにも、人身傷害保険をしっかりつけておくことが重要です。

関連記事:交通事故で「搭乗者傷害保険」は本当に使える?支払い条件と誤解されやすい落とし穴

チェックリスト:「事故後にすべき証拠保全行動」

☑ 保険会社に即連絡し、状況を報告する

☑ スマホで現場・相手車両・ナンバー・損傷箇所を撮影

☑ ドラレコ映像を保存(SDカードを抜く)

☑ 相手の言動・態度をメモ(示談の誘導など)

☑ 絶対にその場で示談に応じない

☑ 後日、医師の診断書を取得しておく

☑ 弁護士特約の利用を検討する

まとめ:ドラレコ義務化は「正しく備える」きっかけに

ドライブレコーダー映像提出の義務化は、不正を助長するリスクをはらんでいます。しかし、それは同時に、私たち自身が「保険の知識」と「事故後の正しい対処法」を改めて見直す良い機会でもあります。

私が現場で痛感しているのは、事故は「知識と備え」で被害を最小限に抑えられるということ。この記事をきっかけに、ご自身の保険内容を点検し、万が一の事態に備えていただければ幸いです。

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