こんにちは。70歳、現役タクシードライバー歴7年のヤヌスです。
雪の日の駐車場で、ワイパーを「ピン」と立てた車をよく見かけます。雪国では当たり前の光景で、「冬はワイパーを立てるもの」と教わった方も多いでしょう。
しかし近年、実は危険な「ワイパーを立てるべきでないケース」「立てたせいで逆に壊れた」という声も増えています。では、いったいどちらが正解なのでしょうか。
結論から言うと、ワイパーを立てる・立てないに絶対的な正解はありません。重要なのは、その日の雪の種類と状況を見て判断することです。
この記事では、取扱説明書やニュースでは語られにくい「タクシー現場での実際の判断基準」をもとに、ワイパーの凍結と破損を防ぐための考え方を整理します。
- なぜワイパーを立てる習慣があるのか(メリットの再確認)
- 「立てるのがNG」になる、重たい雪と強風の危険性
- タクシー現役プロが現場で行う「状況別の判断基準」
- 立てずに凍結を防ぐための、具体的な代替案
- 一般ドライバーにも使える、雪の日のワイパー対処法
雪の日にワイパーを立てるのは正解?【結論】
正解・不正解の二択ではなく、「雪質に合わせる」のが今の新常識です。
タクシーのような仕事車の場合、判断を誤ってワイパーアームを曲げたり、根元のモーターを焼いてしまうと、その瞬間にその日の営業は終了(=出庫不能)となってしまいます。
なぜ雪の日にワイパーを立てる習慣があるのか
凍結によるゴムの固着を防ぐ
水分が凍ってワイパーゴムがガラスに張り付くと、剥がす際にゴムを傷めたり、無理に作動させてモーターを故障させるリスクがあります。
除雪作業の効率化
ワイパーが立っていれば、スノーブラシでフロントガラスの雪を一気に払い落とせます。時間との勝負である出庫前点検では大きなメリットです。
実は危険な「ワイパーを立てないほうがいいケース」
湿った重たい雪・ドカ雪
水分を多く含んだ「重い雪」が大量に積もる場合、立てたワイパーに雪がのしかかり、アームが折れたり、根元の駆動部が歪んでしまうことがあります。
強風・吹雪・落雪の恐れがある場所
強風にあおられたり、屋根からの落雪が直撃したりすると、立てたワイパーが「テコ」のようになり、フロントガラスそのものを割ってしまう最悪のケースも考えられます。
タクシー現場での判断基準|立てる?寝かせる?
私の判断基準はこうです。
- サラサラの粉雪・低温時: 凍結防止を優先して「立てる」。
- 湿った雪・大雪・強風時: 破損防止を優先して「寝かせる」。
迷ったら「無理に立てない」のが安全です。ゴムの凍結は解氷スプレーなどで対処できますが、折れたアームは現場では直せません。
| 状況 | 雪の状態・環境 | おすすめ判断 | 理由・注意点 |
|---|---|---|---|
| ① 気温が低く、サラサラの粉雪 | 気温が低く、軽い粉雪が少量。湿り気が少ない。 | 立てるほうが無難 | フロントガラスへの固着防止を優先。ワイパーゴムが凍り付く前に立てると、出庫前除雪がスムーズ。 |
| ② 湿った重たい雪・ドカ雪が予想される | 水分を多く含んだ重い雪、積雪量が多い予報や状況。 | 立てない(寝かせる) | 立てたワイパーに雪の重みがかかり、アーム曲がり・根元の破損リスク大。最悪の場合、その日の営業終了。 |
| ③ 強風・吹雪・落雪の恐れがある場所 | ビルのそば、屋根付き建物の下、強風・吹雪が予想される環境。 | 立てない(寝かせる) | 風や落雪でワイパーがあおられ、「テコ」のようにフロントガラスを割る最悪のケースもあり得る。 |
| ④ 判断に迷う天候・中途半端な雪 | 粉雪ともベタ雪とも言えない中間、予報も曖昧。 | 無理に立てない | ゴムの固着は解氷スプレーやシート等で対処可能だが、折れたアームは現場で直せないため、破損リスクを回避。 |
| ⑤ 立てない前提で凍結を防ぎたい | そもそもワイパーを立てたくない・立てるのが不安。 | 立てずに「代替策」を使う | フロントガラス用凍結防止シート、タオルや段ボールを挟む、寒冷地用ウォッシャー液の使用などで固着を予防。 |
ワイパー凍結を防ぐ代替策(立てない選択肢)
- 凍結防止シート: ガラス全体を覆うのが最も確実です。
- タオルや段ボールを挟む: 直接の固着を防ぐ古典的ですが有効な手段です。
- 寒冷地用ウォッシャー液: 配管内の凍結を防ぐため、冬場は濃度を高めておきます。
まとめ|ワイパーも「状況判断」が仕事のうち
ワイパーを立てるか寝かせるかは、単なる作業ではなく、天候を読み、車を守るための「判断」です。これは昨夜お話しした「冬のトラブル対策」の基本と同じです。
特別な道具や知識がなくても、「今日はどんな雪か?」を考えるだけで、ワイパーのトラブルは十分防げます。
