タクシーは何キロまで走れる?走行距離73万km超の現役車両で分かった「本当の寿命」

73万キロ以上走っている現役タクシードライバー車両
こんにちは。現役タクシー歴7年、70歳のヤヌスです。「タクシーって毎日走り続けて、すぐ壊れるんじゃないの?」
タクシー転職を考えている方から、私はよくこんな質問を受けます。ですが結論から言うと、その心配はほとんど不要です。
「走行距離=寿命」だと思っているなら、その常識は今日で変わります。こちらの写真は、私が現在使用しているタクシー車両のオドメーターです。
2025年12月28日車内撮影したタクシー車両のオドメーター表示 走行距離737228km
(2025年12月28日撮影)

走行距離は73万kmを超えていますが、今なお現役で毎日お客様を安全にお乗せしています。

この記事でわかること:

  • タクシーは何キロまで走れるのか?実例に基づく寿命の目安
  • 30万・50万・70万kmで現れる「限界のサイン」の正体
  • 70万km超えを実現する会社と、短命に終わる会社の違い
  • 現役プロが実践している、仕事道具を長持ちさせる意識

タクシーは何キロまで走れるのか?【結論】

結論から言うと、タクシー業界では50万km〜70万km超の走行は珍しくありません。

  • 一般的な自家用車: 10万〜15万kmで買い替え検討
  • タクシー車両: 30万kmはまだ折り返し地点
  • 整備体制が良ければ: 50万km超は多数派、70万km超も現役で存在

タクシーは「長距離を走ること」を前提に、管理・運用されている車なのです。

何万kmから「限界のサイン」が出始める?

タフなタクシー車両でも、距離に応じて「お疲れ様」のサインが出始めます。プロはこれを見逃しません。

  • 30万km前後:足回りのヘタリ
    ショックアブソーバーなどが弱まり、乗り心地に「フワフワ感」や異音が出やすくなります。
  • 50万km前後:補機類の寿命
    オルタネーター(発電機)やウォーターポンプなど、エンジン本体以外の重要部品にガタが来始める時期です。
  • 70万km前後:個体差がすべて
    ここまで来ると、それまでの「扱い方」と「整備履歴」の差がすべて出ます。私の車両のように現役なのは、適切なケアの賜物です。

自家用車とタクシーの決定的な違い

比較項目 自家用車 タクシー
使用頻度 週に数回 毎日・長時間
整備の考え方 車検中心 日常点検+3ヶ月定期整備
不具合対応 放置されがち 即整備・即交換
想定寿命 10〜15万km 50万km以上

どんなタクシー会社だと車が長持ちする?

車両が長持ちするということは、それだけ「安全にコストをかけている」証拠です。転職時はここをチェックしてください。

  • 自社整備工場を保有している: 外注に出す手間がないため、些細な異変でもすぐにピットインできます。
  • 整備士が常駐している: 出庫前や帰庫時に、プロにすぐ相談できる環境は心強いです。
  • 故障を隠さない文化: 「この程度の異音なら走れ」と言わず、安全のために車両を止める決断ができる会社は信頼できます。

実は「短命になるタクシー」もある

すべてのタクシーが70万km走れるわけではありません。ヤヌス視点で見る「危ない現場」のリアルです。

  • 無理な売上至上主義: 休憩も取らずエンジンを酷使し、点検時間を削ってまで走らせる環境。
  • ドライバーが異変を言えない空気: 修理代を気にして、小さな異音を報告しづらい会社。
  • 極端な整備コスト削減: 安価すぎる部品への交換を繰り返し、根本的な解決を先送りにしているケース。

現役ドライバーが意識している長持ちのコツ

  • 急加速・急減速をしない: 足回りやブレーキの寿命が大きく変わります。
  • 音・振動・匂いの変化を見逃さない: 故障は必ず予兆を出します。
  • 売上より車の状態を優先する日もある: 結果的に、大きな故障による「長期欠勤」を防げます。

まとめ|タクシーは「消耗品」ではなく「育てる仕事道具」

タクシーは決して使い捨てではありません。適切な会社を選び、ドライバーが愛情を持って接すれば、50万kmは単なる通過点になります。

「車がすぐ壊れそうで不安…」という理由で、タクシー転職をためらっているなら、その心配は不要です。しっかりとした整備体制がある会社を選べば、73万km走るタフな相棒があなたの生活を支えてくれます。


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