タクシー運転手が雪道で本能的に距離を取る車の共通点|逆ハンが必要になる前に見えている危険

逆ハンが必要になる目前の危険

こんにちは。70歳、現役タクシードライバー歴7年のヤヌスです。今日も福岡の街で、路面の表情を読み取りながらハンドルを握っています。

冬になると「雪道では逆ハンドル(カウンターステア)が大事」「FF車でも対処法を知っておくべき」といった解説をよく目にします。

もちろん、技術として知っておくことは間違いではありません。ですが――現場でハンドルを握るプロの感覚は、少し違います。

私たちが警戒するのは、「逆ハンがうまい車」ではなく、「逆ハンが必要になりそうな運転をしている車」です。

今回は、雪道でタクシー運転手が本能的に距離を取る「逆ハン以前の危険な運転」について、現場の視点でお話しします。

この記事でわかること
  • 雪道で「逆ハンが必要になる車」に共通する前兆行動
  • FF・VSC・スタッドレスを過信する運転がなぜ危ないのか
  • プロが“滑る前”に察知して距離を取る判断基準
  • 一般ドライバーが雪道で最優先すべき「操作以前の意識」

雪道事故は「滑った瞬間」ではなく、その前に決まっている

ニュースや専門誌では、横滑りした瞬間の華麗なハンドル操作に注目が集まりがちです。しかしプロの視点では、事故は滑った瞬間ではなく、その数秒〜数十秒前にほぼ決まっています。

速度の選び方、アクセルの雑さ、そして周囲の状況を見ていない視線。こうした要素が重なった時、車からは「そろそろ滑り出すぞ」という独特の空気が出始めます。プロはその空気を嗅ぎ取って、相手が滑る前にブレーキに足を乗せているのです。

プロが警戒する「逆ハンが必要になりそうな車」

雪道で私たちが「この車の後ろにはいたくない」と距離を取るのは、以下のような兆候を見せる車です。

  • カーブの手前で減速が足りない: 「滑ってから立て直せばいい」という根拠のない自信が透けて見えます。
  • ハンドル修正が細かく、動きが落ち着かない: すでにタイヤのグリップ限界ギリギリで走っている証拠です。
  • 路面状況に関係なく一定ペースで走る: 橋の上や日陰など、路面の変化を想像できていないドライバーです。

これらの運転に共通するのは、「滑ってから何とかしようとしている」点です。逆ハンが必要になる事態を招いている時点で、安全運転としては「詰み」の一歩手前なのです。

FF・VSC・スタッドレス過信が生む危険な兆候

最近の車は優秀です。FF(前輪駆動)は直進に強く、VSC(横滑り防止装置)は挙動を補正し、スタッドレスタイヤは驚くほど止まります。

しかし、これらが揃った車ほど、ドライバーの感覚が麻痺し、動きが荒くなりやすい。装置が介入するということは、物理的な限界点に片足を突っ込んでいるということです。介入が必要な運転を続けている車からは、プロは速やかに離れます。

事故の前兆比較表:雪道編

前兆運転 危険の本質 プロの対応
雪道で減速しない 路面変化への無関心 早めに大きく距離を取る
ハンドル修正が多い すでに余裕がない状態 近づかない・後ろにつかない
FF・VSCへの過信 限界を装置任せにしている 先に行かせる(関わらない)
橋の上・日陰でも一定速度 路面変化を想定できていない 早めに進路を変え、距離を取る

これは運転の上手い下手の話ではなく、「余裕を残す運転を選べているかどうか」の話です。

まとめ|逆ハンを覚える前に意識してほしいこと

カウンターステアは確かに必要な技術ですが、それが必要になる運転をしないことの方が、はるかに大切です。

雪道では、操作のテクニックよりもまず「余裕を残すこと」を最優先にしてください。それが、あなたと周囲の車を守る最強の防衛策になります。

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