こんにちは。70歳、現役タクシードライバー歴7年のヤヌスです。今日も雪や凍結の情報を気にしながら、福岡の街を走っています。
冬道で本当に怖いのは、「ツルツルに見える道」ではありません。
一番危険なのは、「何もなさそうに見える道」です。
実際、事故や立ち往生が多いのは「これは大丈夫だろう」と油断した瞬間です。
アイスバーンとブラックアイスバーン。どちらも凍結路面ですが、プロが本気で警戒するのは「ブラックアイスバーン」です。
なぜなら――気づいた時には、もう手遅れだからです。これはタクシー運転手だけでなく、通勤や送迎で車に乗る一般ドライバーにも同じことが言えます。
この記事では、アイスバーンとブラックアイスバーンの決定的な違い、そしてタクシー運転手が「ここはヤバい」と判断する瞬間を、現場の感覚でお伝えします。
- アイスバーンとブラックアイスバーンの「見え方」の違い
- なぜ「濡れているだけ」に見える道が最も危険なのか
- プロが反射的にアクセルを緩める「魔の場所」とは
- 滑ってから対処するのではなく、滑る前に「止める」思考法
この記事で伝えたい結論
冬道で一番危険なのは「見えない凍結」です。どれほど運転技術があっても、氷の上でタイヤが浮いてしまえば制御不能。技術よりも、路面を「疑う判断」こそが命を守ります。
アイスバーンとは何か|白く見えるから「まだマシ」
アイスバーンは、雪が踏み固められ、車両の通行で磨き上げられて氷になった状態です。
光を反射して白く輝くため、ドライバーも「ここは滑るぞ」と警戒できます。タクシーの現場では、見えている分だけ「想定内」の範囲と言えます。
ブラックアイスバーンが「罠」と言われる理由
本当に怖いのはこちらです。路面に薄い氷の膜が張っているのですが、下のアスファルトが透けて見えるため、ただの「濡れた道」にしか見えません。
- 気温3℃でも発生: 放射冷却により、気温が氷点下でなくても路面温度が下がれば即座に形成されます。
- 深夜・早朝の闇: ライトの光を吸収してしまい、黒く見えるため発見が遅れます。気づいた瞬間には、もうブレーキを踏む距離が残っていません。
同じ「濡れているように見える路面」でも、光の反射と周囲の状況で危険度はまったく変わります。
アイスバーンとブラックアイスバーンの見え方の比較:
| 種類 | 見た目の特徴 | ドライバー心理 | 結果・危険度 |
|---|---|---|---|
| アイスバーン | 白く光って見える/ツルツルしている | 「滑りそう」と気づきやすい | 危険だが“見えるぶん”まだマシ |
| ブラックアイスバーン | 濡れているだけに見える/黒くしっとり | 「大丈夫そう」と油断して進入しがち | 最も危険。気づいた時には手遅れ |
| 濡れた路面 | 雨上がりのような濃いグレー/水たまりが見える | 雨と同じ感覚で走りがち | 気温低下でブラックアイスバーンに変化する“予備軍” |
だから私たちタクシー運転手は「黒く見えたら凍っている前提」で走ります。
プロが「近づかない」と判断する冬道の魔のスポット
私たちは、以下のような場所ではたとえ路面が黒く見えても「凍っている」と決めつけてかかります。
- 橋の上・陸橋: 地熱がないため、真っ先に凍ります。
- トンネルの出入り口: 急激な温度変化で氷の膜ができやすい場所です。
- 交通量の多い交差点: タイヤに磨かれ、見えないスケートリンクが完成しています。
ヤヌス流・一番の安全対策は「操作しないこと」
滑った時のハンドル操作(カウンターステア)や急ブレーキをかけないなど、技術的な話は山ほどありますが、それは最終手段。一番の対策は、「怪しい道は最初から通らない」「違和感があれば即、速度を落とす」という臆病なまでの慎重さです。
まとめ|冬道は運転技術ではなく判断力
ブラックアイスバーンは、ドライバーの隙を突く「罠」です。
見えないものほど疑い、「無事に帰ること」を最優先にしてください。遅れる勇気を持つことが、プロの、そして本当の優良ドライバーの品格です。

