こんにちは。今年71歳、現役タクシードライバー歴8年目のヤヌスです。
「事故かと思ったら違った」
「前が詰まっているのに、誰も抜かない。なんだか異様な光景だ……」
2026年4月の道路交通法改正以降、こうした“謎の渋滞”を見かけた方も多いのではないでしょうか。
👉 その正体は、「自転車を追い抜けない車列」です。
新ルールにより、自動車が自転車を追い越す際は「十分な間隔(目安1m)」の確保が義務化されました。しかし現実の道路は狭く、ルールを守ろうとすれば“抜けない”場面が続出します。
では、こうした場面で私たちドライバーはどう判断するのが正解なのか?今回は、現場で起きているリアルな状況をもとに、プロドライバーが実践する「正解の立ち回り」を解説します。
自転車を追い抜けない状況で“どうするべきか”に悩むドライバーが急増しています。
この記事でわかること:
- ✅ 渋滞の原因:なぜ自転車1台で車列が止まるのか
- ✅ プロの結論:「抜くべきか待つべきか」の明確な基準
- ✅ 危険な勘違い:焦りが招く重大な判断ミスとは
- ✅ 現場の知恵:後続車のプレッシャーに負けない心の持ちよう
なぜ渋滞が起きるのか|1mルールと現実のギャップ(抜けない理由を解説)
2026年4月施行の改正道交法では、自転車の右側を通る際、十分な間隔がない場合は「減速」または「待機」が義務付けられました。警察庁の目安は「1メートル」。
しかし、日本の都市部の道路で、1メートルの間隔を空けつつ対向車線にはみ出さずに抜くのは、普通車でも至難の業です。特にトラックやバスなどの大型車にとっては、実質的に「追い抜き不可能」な道路が数多く存在します。その結果、1台の自転車の後ろに長い車列ができる“異様な光景”が生まれているのです。
結論|抜けないなら「抜かない」がプロの正解
現場でハンドルを握る私からお伝えしたい結論は一つです。
👉「1m確保できない・対向車が来ている、この2つが揃ったら“抜かない”が正解です」
これが、免許と仕事を一瞬で失わないための唯一の正解です。渋滞を作ることは罪ではありませんが、無理に抜いて接触すれば人生が変わってしまいます。
実は、道幅5.5m未満の道路は、広い道に比べて事故率が1.9倍というデータもあります。無理な追い抜きがどれほど命取りになるか、こちらの記事で詳しく解説しています。
まずはルールを正確に理解しておくことが前提です。👉 自転車追い越しの新ルール(1m間隔と減速義務)の法的詳細はこちら
現場で多発している3つの判断ミス
イライラや焦りが、以下のような危険な行動を誘発しています。
① 無理な追い抜き
対向車が来ているのに「行けるだろう」と鼻先を突っ込むパターン。自転車を驚かせ、ふらつかせる原因になり、出会い頭の事故を招きます。
② 後続車への過剰な配慮
正直、後ろから詰められると焦りますよね。でも、その焦りで判断を誤るのが一番危険です。
後ろから煽られているように感じ、焦って抜いてしまう。プロの視点では、後続車のプレッシャーよりも、目の前の自転車の安全の方が100倍優先です。
③ 渋滞=「悪いこと」という思い込み
車列が詰まるのは、前の車が「安全を確認している証拠」です。イライラしてクラクションを鳴らすのではなく、安全行動の結果として受け入れる余裕が必要です。
現場で実際に怖い「自転車の動き」(2026年最新)
2026年のルール改正以降、「抜けない問題」だけでなく、自転車そのものの動きに恐怖を感じる場面も増えています。
実際に現場で多いのは、次のようなケースです。
- 逆走してくる自転車
- ふらつきながら走る
- 一時停止をせずに飛び出す
- 突然の斜め横断
- いきなり右折する
これらはすべて、「こちらがルールを守っていても事故につながる可能性がある動き」です。
つまり重要なのは「抜けるかどうか」ではなく、「動きが読めるかどうか」です。
少しでも不自然な挙動を感じた場合は、距離を取る・減速する・抜かないという判断が、結果的に最も安全です。
特に、ふらつきや逆走が見えた時点で「予測不能」と判断し、追い抜きを選択しないことがプロの基本になります。
万が一の事故時に「何をすべきか分からない」と損をするケースは非常に多いです。初動対応と保険交渉の流れについては、こちらで詳しく解説しています。
ヤヌス流|抜けない時の「タクシー実務」対応
タクシーにお客様を乗せている時、急いでいるお客様から「なんで抜かないんだ?」と視線を感じることもあります。そんな時、私はあえてスピードを20〜30kmまで落とし、**「新ルールの安全確認を徹底しています」という姿勢**を態度で示します。
「抜けない」のではなく、プロとして「抜かないという選択」をしている。この毅然とした態度こそが、結果としてお客様の安全も守ることになるのです。
また、今話題の「ゾーン30」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。→生活道路の30km制限は安全?事故1.9倍の理由とゾーン30の危険性をプロが解説
まとめ|渋滞より事故の方が100倍損
数十秒の遅れと、一生背負う事故。天秤にかけるまでもありません。新ルールに戸惑う時期ですが、焦らないドライバーこそが最終的に「勝ち」ます。
👉 「迷った瞬間こそ、“抜かない”を選べるかどうか。それがプロと事故ドライバーの分かれ道です。」

