こんにちは。今年71歳、現役タクシードライバー歴8年目となったヤヌスです。
渋滞中や信号待ちのとき、車の横をスーッとすり抜けていくバイク。
「危ないな」と思いつつも、日常的によく見かける光景です。
では、そのバイクと接触してしまった場合――あなたはこう思いませんか?
「いや、どう考えても相手が悪いでしょ」
しかし実際の保険実務では、この直感が通用しないケースが少なくありません。今回は、すり抜けバイクとの接触事故で起きやすい「思い込みによる損」と、その回避方法について、現場目線でわかりやすく解説します。
この記事でわかること:
- ✅ 過失の正体:すり抜けバイク事故で“過失ゼロにならない理由”
- ✅ 判断の基準:「止まっていたのに過失あり」となる仕組み
- ✅ 勝負の分かれ目:過失割合を左右する3つの重要ポイント
- ✅ ヤヌス流:損をしないためのシンプルかつ強力な対策
結論|止まっていても過失はつく
結論から申し上げます。たとえ渋滞中でほぼ停止していたとしても、四輪側に過失がつくケースは普通にあります。理由はシンプルです。
👉「動いた」という事実があれば、安全確認義務が発生するからです。
「相手が危険だったかどうか」だけでは判断されない――これが、この事故の非常に厄介なポイントです。
※実務上は「車7:バイク3」や「車8:バイク2」など、車側にも2〜3割の過失がつくケースが一般的です。
なぜ四輪にも過失がつくのか?安全確認義務の正体
車を運転している以上、ドライバーには常に「周囲を確認する義務」があります。特に重要なのがこの点です。
👉わずかなハンドル操作でも“進路変更”とみなされる
例えば:
・左に少し寄せた
・ハンドルを軽く切った
・停止状態からじわっと動いた
こうした動きでも、「その直前にミラーや目視で確認していたか?」が問われます。つまり、「すり抜けてきたバイクの危険性」+「あなたの確認不足」の合わせ技で過失が分かれてしまうのです。
現場のリアル|よくある事故パターン
現場で多いのは、こんな流れです。
- 渋滞中で停止、または微速前進
- 左側をバイクがすり抜け(ドライバーは気づいていない)
- 左に寄せる、または左折を開始
- 接触
このときドライバー側はほぼ確実に「避けようがない」と感じますが、保険の判断では「確認できた可能性があった」とみなされ、現場感覚との大きなズレが生じます。
――これが、現場と保険実務の一番つらいズレです。

過失割合を分ける3つのポイント
この手の事故で重要視されるのは、次の3点です。
- ① ミラー・目視確認をしていたか:していないと**過失は一気に重くなります。**
- ② どの程度動いたか:目立つハンドル操作があると圧倒的に不利です。
- ③ 予測できた状況か:「渋滞中=すり抜けは予測可能」と判断されやすいのが現実です。
ヤヌス流|事故を防ぐシンプルな対策
私が現場で徹底しているのは、難しいことではありません。タクシーは左からお客様をお乗せする機会が多いため、この「左側の管理」は生命線です。
- 渋滞中こそミラーを見る:「止まっているから安心」という油断を捨てます。
- 動かす前に「1秒」確認:ハンドルを切る前に必ず左ミラーと目視をセットにします。
- 左側は“常に何か来る前提”:バイク・自転車は必ず来ると決めて走ります。
まとめ|「思い込み」が最大の落とし穴
すり抜けバイクとの事故は、「相手が悪い」で終わらないのが恐ろしいところです。ドアパンチやETCトラブルと同じで、“知らないこと”がそのまま金銭的・社会的な損につながります。
「自分は大丈夫」と思った瞬間こそが、最も危ない。ぜひ一度、ご自身の「動作前確認」を見直してみてください。
次にハンドルを切るその瞬間、「左は大丈夫か?」と1秒だけ確認してみてください。
それだけで、この事故はほぼ防げます。
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