こんにちは。70歳、現役タクシードライバー歴7年のヤヌスです。今日も安全第一でハンドルを握っています。
冬の高速道路は、雪が降るだけで一気に“別の世界”に変わります。
2026年正月、山陽自動車道で発生した大規模な立ち往生。福岡から広島まで、通常4時間ほどの道のりが17時間かかるという異常事態となりました。
原因は「ノーマルタイヤ車のスタック」と報じられていますが、現場をよく知る立場から見ると、問題はそれだけではありません。
この記事では、山陽道の事例をもとに、
- なぜ高速道路は一度止まると逃げ場がなくなるのか
- 雪の日にプロが「高速を避ける」本当の理由
- 立ち往生したときに命を分ける備えとは何か
を、タクシードライバーの視点で解説します。
- 山陽道17時間渋滞で実際に起きていた「情報の断絶」
- 高速道路が一般道よりも「圧倒的に詰みやすい」構造的な理由
- スタッドレスを履いていても過信してはいけない条件
- 立ち往生を想定した「車内を避難所にする」ための必須アイテム
なぜ高速道路は「一度止まると復旧しない」のか
一般道であれば、渋滞していれば路地に逃げたり、Uターンして引き返したりすることが可能です。しかし、高速道路は一度進入してしまえば、次のインターチェンジまで逃げ場がありません。
さらに、1台がスタックして車列が止まると、除雪車やレッカー車さえ現場に辿り着けなくなります。この「救助側も物理的に入れない」という状況が、数千台の車を17時間も閉じ込める結果を生むのです。
この時点で、高速道路は「道路」ではなく、数千台分の“動かない車内避難所”に変わります。
なお、ここで勘違いしやすいのが「スタッドレスを履いているから大丈夫」という発想です。スタッドレスは走り続けられる保証ではあっても、止まったあとの安全まで守ってくれるものではありません。
高速道路では、一度止まった瞬間に、スタッドレスもチェーンも「ただの装備」になります。
タクシードライバーが雪の日に高速を避ける理由
私たちプロが最優先するのは、常に「逃げ道」を確保することです。
- 一般道を選ぶ: 多少遠回りでも、何かあった時に引き返せる、あるいはコンビニやトイレがある道を選びます。
- 乗らない判断: 雪予報が深刻な場合、「今日は高速を使わない」どころか「車を出さない」という判断も、立派な安全運転技術の一つです。
立ち往生した時に「本当に必要だったもの」
ニュースでも語られていた通り、最も切実なのは「トイレ」と「食料」です。
- 携帯トイレは必須: 冬の高速道路は「災害現場」と同じです。携帯トイレは災害用ではなく、車載の常備品として考えるべきです。
- 水と軽食: 脱水症状や低血糖を防ぐため、非常食としてチョコやビスケットを積んでおきましょう。
- 燃料の確保: 半分給油の法則を守っていれば、アイドリングで暖を取り続けることが可能です。
冬の高速道路に乗る前チェックリスト
- □ 雪予報が出ている時間帯に山間部を通らないか?
- □ 通行止めになった場合の代替ルートは決まっているか?
- □ ガソリンは満タン(少なくとも半分以上)か?
- □ 防寒具、携帯トイレ、モバイルバッテリーは車にあるか?
まとめ|雪より怖いのは「想定不足」
山陽道の渋滞は、決して他人事ではありません。雪道を走る技術以上に重要なのは、「走らない」「引き返す」という判断ができるかどうかです。
これから冬の高速道路を利用する方は、このニュースを一つの教訓にして、ご自身の備えと「引き返す勇気」を再確認してください。

