こんにちは。70歳、現役タクシードライバー歴7年のヤヌスです。
冬道を走る際、「スタッドレスタイヤを履いているから大丈夫」と思っていませんか?
実は、大雪時にはスタッドレスを履いていても、タイヤチェーンを巻かなければ絶対に通行できない道路が存在します。それが「チェーン規制」です。
タクシー運転手の現場では、規制を正しく理解していないために、
- 検問で止められて立ち往生
- お客様を乗せたままUターンを余儀なくされる
- 仕事にならず売上をロスする
といったトラブルが、雪が降るたびに繰り返されています。
この記事では、「冬用タイヤ規制」と「チェーン規制」の違いを、単なる法律の話ではなく、実際の現場で何が起きるのかというプロの視点から解説します。
タクシーの場合、この判断ミスは「事故」以前に「仕事にならない」という形で返ってきます。一般ドライバーの方にとっても、「知らなかった」では済まされない重要な冬のルールです。
- 「冬用タイヤ規制」と「チェーン規制」の決定的な違い
- スタッドレス装着済みでも、なぜ通行を拒否されるのか
- 現場の検問で実際に指示されること(Uターンの現実)
- 布チェーンなどの「簡易装備」が抱える意外なリスク
この記事で伝えたい結論
冬道のルールは、「スタッドレス=万能」ではありません。規制の種類によっては、チェーンを積んでいなければ目的地にたどり着けないケースがあることを、出発前に必ず知っておく必要があります。
冬道には2つの「通行ルール」がある
名前は似ていますが、中身は全く別物です。現場でこの違いを誤解していると、取り返しのつかないことになります。
① 冬用タイヤ規制|スタッドレス“または”チェーンでOK
積雪や凍結時の基本的なルールです。「滑り止めの措置」が義務付けられており、スタッドレスタイヤを履いているか、タイヤチェーンを装着していれば通行可能です。
② チェーン規制|スタッドレスでも「通行不可」
ここが落とし穴です。大雪特別警報が出るような猛吹雪の際、特定の指定区間で発令されます。この規制が出た場合、どれほど高性能なスタッドレスを履いていても、4WDのSUVであっても、チェーンを装着しない限り通れません。
「冬用タイヤ規制」と「チェーン規制」の違い
※どちらも「通行条件」を示す標識ですが、必要な装備と厳しさがまったく違います。
冬用タイヤ規制
スタッドレス または チェーンでOK
- 対象: 積雪・凍結時の「基本ルール」
- 条件: スタッドレスタイヤ装着 or チェーン装着で通行可
- イメージ: 「滑り止め対策があればOK」の段階
- 標識: 青地にタイヤ+雪マークなど(冬用タイヤ必須の表示)
チェーン規制
チェーン のみ 通行可
- 対象: 大雪・猛吹雪時の「特別ルール」
- 条件: スタッドレスでもチェーン未装着は通行不可
- イメージ: 「チェーンを巻いた車だけ通れる非常時レベル」
- 標識: 青地にタイヤ+チェーンのマーク(チェーン以外はNG)
【プロの視点】チェーン規制で実際に起きること
規制区間の入り口では、警察官や道路管理者による検問が行われます。
「スタッドレスを履いています!」と主張しても、チェーンを現物で装着していない限り、その場でUターンを指示されます。タクシーの場合、これでお客様を降ろさざるを得なくなったり、予約をキャンセルせざるを得なくなったりと、大ダメージを受けます。一般の方なら、せっかくの旅行や帰省がここでストップしてしまうのです。
チェーンの種類と「布製」の落とし穴
金属チェーンや非金属(ゴム・ウレタン)チェーンなら安心ですが、注意が必要なのが「布製タイヤカバー(布チェーン)」です。
法規上は適合していても、現場の係員の判断や、あまりの猛吹雪の場合は「性能不足」と見なされ、通行を許可されないケースが稀にあります。プロとして確実に目的地へ向かうなら、信頼性の高い金属や非金属チェーンを備えておくのが定石です。
まとめ|知っているかどうかで「通れる・通れない」が決まる
迷ったら、以下の3つを自分に問いかけてみてください。
- 「スタッドレス=万能」と思い込んでいないか?
- 目的地までのルートに「チェーン規制区間」はないか?
- チェーンを積むだけでなく、雪の中で装着する準備はできているか?
冬道では「走れるかどうか」は運転技術では決まりません。事前にルールを知っているかどうかで決まります。プロも一般ドライバーも、ルールは同じ。無理な走行は避け、安全に家へ帰りましょう。
