こんにちは。70歳、現役タクシードライバー歴7年のヤヌスです。
クルマのキズ補修というと、「自分で直せば安く済む」「DIYでキレイにできる」という情報をよく見かけます。たしかに、小さなキズなら自分で対処できるケースもあります。
ただし、毎日仕事で車に乗る立場から言うと、「触っていいキズ」と「絶対に触らないほうがいいキズ」には、はっきりとした境界線があります。
下手に手を出して、かえって目立たせてしまったり、最終的な修理代が高額になってしまう例を、現場では嫌というほど見てきました。
この記事では、単なる補修テクニックではなく、現役タクシー運転手が実際に行っている「補修の判断基準」を整理します。一般ドライバーの方にとっても、失敗を防ぐための重要な指針になるはずです。
- DIY補修で「深追い」してはいけない理由
- プロも認める「コンパウンドで直るキズ」の見分け方
- タッチアップ(塗り)で後悔しないための「合格点」の下げ方
- プロが「スプレー塗装とパテ」をDIYでやらない切実な理由
この記事で伝えたい結論
車のキズ補修は「どれだけキレイに直せるか」よりも、「失敗したときのリスクをどこまで許容できるか」で判断するのが正解です。
タクシー運転手が考える「車のキズDIY補修」の基本ルール
この記事の考え方は、通勤や買い物で車を使う一般ドライバーの方にも、そのまま当てはまります。
「なるべく安く」「でも失敗したくない」という方ほど、ぜひ参考に。
- 完璧を狙わない: 100点を目指して失敗し、0点になるのが一番の損失です。
- 1メートル離れて目立たなければ合格: これが実務上のゴールです。
- 錆(サビ)を防ぐことを最優先: 見た目より「車両の寿命」を守ります。
プロでも即やる「DIYで触っていい車のキズ」
コンパウンドで対応できる浅いキズ
「水をかけると一瞬消えて見えるキズ」は、表面のクリア層が荒れているだけです。これはコンパウンド(研磨剤)で磨けばほぼ消えます。迷わずやっていい範囲です。
飛び石などの小さな点キズ
塗装が剥げた小さなキズは、放置するとサビの原因になります。タッチアップペイント(筆塗り)で埋めるのは正解ですが、「色を完璧に合わせようと何度も塗り重ねる」のはNG。盛り上がりすぎると、逆に光の反射で目立ってしまいます。
プロが基本的に「DIY補修しない車のキズ」
以下の2つは、失敗した時の「リカバリー費用」が跳ね上がるため、プロは安易に手を出しません。
- 広範囲のスプレー塗装: 塗装の境目をボカすのは至難の業です。失敗するとドア一枚塗り直しになります。
- ボディのパテ埋め: 乾燥後のヒケ(収縮)で、後から余計に凹凸が目立つようになります。
ホイールのガリ傷補修は「条件付きでOK」
縁石でこすったアルミホイールのキズは、ヤスリで角を落としてシルバーのペンで塗る程度ならDIY向きです。ただし、衝撃が強かった場合はホイールの歪み(走行安全性)が関わるため、プロによる点検を優先してください。
DIYで「触っていいキズ」と「触らない方がいいキズ」
※迷ったら「水をかける」「鉄板が見えているか」「範囲は名刺サイズ以内か」で判断します。
DIYで触っていいキズ
- 水をかけると消えるように見える浅いスリキズ
- 名刺サイズ以内の小さなキズ
- 鉄板が見えていない(下地色まで)キズ
- 飛び石の点キズでサビ予防が目的のタッチアップ
DIYで触らない方がいいキズ
- 水をかけても消えない深いキズ
- 名刺サイズを超える広範囲のキズ・ヘコミ
- 鉄板が見えている、サビが始まっているキズ
- パネルの角・プレスラインにかかるキズ
- 自分でスプレー塗装やパテ埋て直そうとしているキズ
まとめ|車のキズ補修は「やらない判断」も立派な選択
迷ったら、「水をかけて消えるか」「鉄板が出ていないか」「範囲は名刺サイズ以内か」。
この3つで判断できないキズは、無理にDIYしないのが正解。
車を大切にするとは、無理に自分で直すことではなく、これ以上トラブルを増やさないことです。少しでも不安を感じたら、プロに任せる。それが結果として、最も安く、最も美しく車を保つコツです。

