タクシー転職を考えている方から、私はよくこんな質問を受けます。ですが結論から言うと、その心配はほとんど不要です。
「走行距離=寿命」だと思っているなら、その常識は今日で変わります。こちらの写真は、私が現在使用しているタクシー車両のオドメーターです。

走行距離は73万kmを超えていますが、今なお現役で毎日お客様を安全にお乗せしています。
この記事でわかること:
- ✔ タクシーは何キロまで走れるのか?実例に基づく寿命の目安
- ✔ 30万・50万・70万kmで現れる「限界のサイン」の正体
- ✔ 70万km超えを実現する会社と、短命に終わる会社の違い
- ✔ 現役プロが実践している、仕事道具を長持ちさせる意識
タクシーは何キロまで走れるのか?【結論】
結論から言うと、タクシー業界では50万km〜70万km超の走行は珍しくありません。
- 一般的な自家用車: 10万〜15万kmで買い替え検討
- タクシー車両: 30万kmはまだ折り返し地点
- 整備体制が良ければ: 50万km超は多数派、70万km超も現役で存在
タクシーは「長距離を走ること」を前提に、管理・運用されている車なのです。
何万kmから「限界のサイン」が出始める?
タフなタクシー車両でも、距離に応じて「お疲れ様」のサインが出始めます。プロはこれを見逃しません。
- 30万km前後:足回りのヘタリ
ショックアブソーバーなどが弱まり、乗り心地に「フワフワ感」や異音が出やすくなります。 - 50万km前後:補機類の寿命
オルタネーター(発電機)やウォーターポンプなど、エンジン本体以外の重要部品にガタが来始める時期です。 - 70万km前後:個体差がすべて
ここまで来ると、それまでの「扱い方」と「整備履歴」の差がすべて出ます。私の車両のように現役なのは、適切なケアの賜物です。
自家用車とタクシーの決定的な違い
| 比較項目 | 自家用車 | タクシー |
|---|---|---|
| 使用頻度 | 週に数回 | 毎日・長時間 |
| 整備の考え方 | 車検中心 | 日常点検+3ヶ月定期整備 |
| 不具合対応 | 放置されがち | 即整備・即交換 |
| 想定寿命 | 10〜15万km | 50万km以上 |
どんなタクシー会社だと車が長持ちする?
車両が長持ちするということは、それだけ「安全にコストをかけている」証拠です。転職時はここをチェックしてください。
- 自社整備工場を保有している: 外注に出す手間がないため、些細な異変でもすぐにピットインできます。
- 整備士が常駐している: 出庫前や帰庫時に、プロにすぐ相談できる環境は心強いです。
- 故障を隠さない文化: 「この程度の異音なら走れ」と言わず、安全のために車両を止める決断ができる会社は信頼できます。
実は「短命になるタクシー」もある
すべてのタクシーが70万km走れるわけではありません。ヤヌス視点で見る「危ない現場」のリアルです。
- 無理な売上至上主義: 休憩も取らずエンジンを酷使し、点検時間を削ってまで走らせる環境。
- ドライバーが異変を言えない空気: 修理代を気にして、小さな異音を報告しづらい会社。
- 極端な整備コスト削減: 安価すぎる部品への交換を繰り返し、根本的な解決を先送りにしているケース。
現役ドライバーが意識している長持ちのコツ
- 急加速・急減速をしない: 足回りやブレーキの寿命が大きく変わります。
- 音・振動・匂いの変化を見逃さない: 故障は必ず予兆を出します。
- 売上より車の状態を優先する日もある: 結果的に、大きな故障による「長期欠勤」を防げます。
まとめ|タクシーは「消耗品」ではなく「育てる仕事道具」
タクシーは決して使い捨てではありません。適切な会社を選び、ドライバーが愛情を持って接すれば、50万kmは単なる通過点になります。
「車がすぐ壊れそうで不安…」という理由で、タクシー転職をためらっているなら、その心配は不要です。しっかりとした整備体制がある会社を選べば、73万km走るタフな相棒があなたの生活を支えてくれます。
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