こんにちは、福岡市の老舗法人タクシーで嘱託乗務員を務める現役ドライバーのヤヌスです。
「年金はこのままで本当に大丈夫だろうか…?」そんな不安を抱えながら、60代での転職を検討する人は少なくありません。
特にタクシー業界は“歩合制”というイメージから「社会保険や厚生年金がどうなるのか心配」という声をよく聞きます。ですが、法人タクシーなら現役の会社員と同じ社会保障を受けられるのです。
この記事では、63歳から法人タクシーに転職した私の実体験をもとに、「社会保険・厚生年金」の実態と安心設計のコツをわかりやすく解説します。
60歳以上でタクシー転職した場合の厚生年金の継続加入とメリット
・ 現役ドライバーが体験した「健康保険・雇用保険」による恩恵の具体例
・ 入社前に必ず確認すべき「社会保険完備」と「法定外福利厚生」のチェックリスト
・ 年収を最大化しつつ、保障を維持するための賢い働き方
1. タクシー業界の社会保険・厚生年金の基本構造
タクシードライバーの社会保障は、「法人タクシー」で働くか、「個人タクシー」で働くかで、その仕組みが大きく異なります。
1-1. 法人タクシー(会社員)は「安心のフルパッケージ」
あなたが法人タクシー会社に正社員(または嘱託社員)として雇用される場合、社会保障は一般的な会社員と全く同じです。
- 厚生年金: 会社と折半で加入し、将来受け取る年金額を増やせます。
- 健康保険: 会社が加入する健康保険組合に加入し、医療費の自己負担を軽減できます。
- 雇用保険: 失業時の手当や、育児・介護休業給付の対象となります。
- 労災保険: 業務中の事故や病気に対して、会社が費用を負担します。
この「フルパッケージ」こそが、個人事業主である個人タクシーにはない、法人タクシーの最大のメリットです。
1-2. ヤヌスの実体験:63歳からの厚生年金継続の恩恵
私自身、63歳でこの業界に飛び込みましたが、現在も厚生年金に継続して加入し続けています。
- 年金受給額の増加: 60歳以降も厚生年金に加入し続けることで、将来的に受け取れる年金額(老齢厚生年金)が増加します。これは、セカンドキャリアを考える上で非常に大きなメリットです。
- 健康保険の継続: 病気や怪我のリスクが高まる年齢で、自己負担が軽減される健康保険に加入できることは、精神的な安心感に繋がっています。
2. 転職者が知るべき「社会保険と給与」の関係
「歩合制だから保険料が高くなる?」といった不安について解説します。
2-1. 保険料は「固定給」ではなく「標準報酬月額」で決まる
タクシー乗務員の社会保険料は、歩合を含む毎月の給与総額を基に算出される「標準報酬月額」に応じて決まります。
- 歩合制でも安心: 給与に連動して保険料が決まるため、稼げば稼ぐほど、将来の年金受給額が増えるという、合理的な仕組みになっています。
- 会社との折半: 保険料は会社と折半で負担するため、国民年金や国民健康保険を全額自分で支払うよりも、手取り額の負担が軽減されます。
2-2. 会社の「社会保険完備」を鵜呑みにしないチェックリスト
求人票に「社会保険完備」とあっても、以下の詳細を確認することで、その会社が本当に優良企業かを見極められます。
- チェック1:健康診断の頻度: 法定(年1回)に加え、特殊健診や人間ドックの補助があるか。ドライバーの健康管理に積極的かどうかの指標です。
- チェック2:有給消化の推奨: 休みを取りにくい業界ですが、有給休暇の計画的な取得を会社側が奨励しているか。雇用保険や労災の恩恵を十分に受けるためには、健全な労働環境が不可欠です。
- チェック3:退職金制度の有無: 厚生年金とは別に、企業型の確定拠出年金(DC)や独自の退職金制度があるか。老後資金の設計に大きく影響します。
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3. 老後資金を安定させるための「賢い働き方」
社会保険を最大限に活用し、安定した老後資金を築くためのヤヌス流の戦略です。
3-1. 安定重視型は「月次の売上目標」を高く設定しすぎない
60歳以降の再雇用の場合、**「給与」と「年金」をバランス良く受け取る**ことが重要です。
- 戦略A:給与と年金の調整: 働きすぎると年金の一部がカットされる「在職老齢年金制度」があります。会社と相談し、年金が全額支給される範囲内で給与目標を設定しましょう。(※専門家との相談推奨)
- 戦略B:嘱託・定年後再雇用の利用: 多くの会社では、定年後に「嘱託社員」として再雇用され、無理のない勤務形態(週3〜4日など)で働き続けることができます。
3-2. 健康と安全性を最優先する会社選び
社会保険の恩恵を最大限に受けるには、長く働き続けることが前提です。
- 最優先事項: 会社が安全運転装置(ドライブレコーダー、衝突軽減ブレーキなど)に積極的に投資しているか。事故や怪我のリスクを減らすことが、最高の健康保険対策です。
- 重視点: 勤務後の休憩や仮眠室など、身体的な疲労回復をサポートする設備が整っているか。
🚨 まとめ:法人タクシーは「老後の生活設計」を守れる仕事
タクシードライバーは、確かに歩合制の側面がありますが、法人タクシーの正社員として働く限り、社会保険・厚生年金という最も重要な生活保障は守られます。
私自身が、63歳から安心して働き続けられているのは、この強固な社会保障制度のおかげです。
転職で迷うなら、**「社会保障が手厚い会社」**を選び、老後も現役ドライバーとして誇りを持って働き続けられる未来を選びましょう。