こんにちは、ヤヌスです。
自民党政府は何か大きな財政出動を行うたびに、「財源をどうするか」「将来世代にツケを回さないために増税が必要だ」と国民に訴えます。そして、その裏で財務省が「国の財源は税である」という常識を流布させています。
しかし、これは国の財政運営の基本原則に照らして、極めて事実に反する、国民を欺く行為であると言わざるを得ません。
本記事では、政府自身が実行し、そして知っているはずの「スペンディング・ファースト(支出先行)」という原則に基づき、国の財源は税ではなく国債であるという真実を解説します。そして、「財源確保」を大義名分とする増税論の裏に隠された、政治・行政の欺瞞を徹底的に暴きます。
この記事でわかること(財政政策に隠された欺瞞):
- ・政府の支出が「先」、徴税が「後」となる「スペンディング・ファースト」の原則。
- ・財務省が意図的に隠す、税の真の役割(財源確保ではない)。
- ・「財源確保のため」という増税論の論理的破綻と、隠された真の目的。
1. 国の財政の基本原則:「スペンディング・ファースト」とは何か
「スペンディング・ファースト」(Spending First:支出先行)とは、自国通貨建てで負債を発行できる政府(日本政府)の支出の仕組みを説明する基本原則です。
1-1. 支出が「先」、徴税が「後」の原則
そもそも国はまず国債(いわゆる借金)を発行して資金を調達し、その資金を原資として予算を執行(支出)します。そして、年度末にかけて国民や企業から税金という形で資金を回収します。つまり、時系列で見れば、支出(国債発行)が常に先行し、徴税が後追いで行われるのが現実です。
税金がなければ支出ができない、という財務省の主張は、この実際の「支払いと回収の時系列」の原則に照らせば、論理的に破綻しています。税金は、政府支出の「財源」として機能しているわけではないのです。
1-2. 財源が国債であることの明確な証拠
政府が大規模な財政出動を行う際、必ず特別会計や補正予算において国債の発行を決定します。もし税金が財源であれば、国債を発行する必要はありません。国債の発行が政府支出の出発点であることは、政府自身の予算執行のプロセスが示している、動かぬ事実です。
にもかかわらず、自民党と財務省が「税が財源」という神話を振りかざすのは、国民の間に「財源がなければ何もできない」という諦めの意識を醸成し、増税の土壌を作るための、意図的な世論操作であると断じざるを得ません。
【政府支出の流れ】:
国債発行 → 支出実行(公共事業・給付など) → 国民所得の発生 → 税徴収
※税は“支出の後”に発生する
2. 財務省が隠す「税」の真の役割
では、税金は財源ではないとすれば、その真の役割は何でしょうか?これは、政府が国民に明かしたくない、重要な金融の真実です。
2-1. 税の役割は「通貨価値の裏付け」と「需要抑制」
現代の財政理論に基づけば、税の主要な役割は以下の2点に集約されます。
- 通貨価値の裏付け:納税義務を課すことで、国民に自国通貨(円)を必要とさせ、その通貨の価値を強制的に裏付けます。
- 需要抑制とインフレ対策:景気が過熱し、インフレ(物価高)が進行した場合、増税によって国民や企業の手元資金を減らし、総需要を抑制します。
つまり、税は「財源」ではなく、「経済の舵取り」のためのツールなのです。政府が必要な支出を絞るのは「財源がないから」ではなく、「これ以上支出すると、インフレを招く可能性があるから」という判断が正しい論理です。
しかし、我が国は長くデフレから抜け出せないまま現在の経済低迷に至っていますが、その意味するところはインフレが現実化するまでは執行されるべき大規模な財政出動の必要性です。
2-2. 「財源確保のため」という欺瞞
政府が「防衛費増額の財源確保のため」「少子化対策の安定財源確保のため」と増税を訴えるとき、それは論理的に破綻しています。財源は国債で賄えるからです。彼らが本当に恐れているのは、支出によるインフレの加速、または既存の省益や既得権益が侵食されることであり、「財源確保」という言葉は、国民に対する大義名分として利用されているに過ぎません。
【決定的証拠】:財務省自身が認める「国債=財源」
財務省の公式資料「国債残高の推移」には、こう書かれています。
> 「歳出の財源として国債が発行されている」
(出典:財務省HP「国債管理」)
これでも「税が財源」だと言い張れるでしょうか?
関連記事:【大嘘の代償】「財政健全化」という大義名分が国民に強いる「構造的貧困」と「危機管理の放棄」を徹底批判
3. まとめ:「財源の嘘」を流布させることの構造的欠陥
自民党政府と財務省は、国の財源は国債発行であるという原則を理解していながら、「財源は税」という神話を広め、国民を欺いています。この欺瞞は、以下の構造的な欠陥を生み出します。
- 必要な財政出動の遅延:災害対策や経済対策など、真に必要な公共投資が「財源がない」という嘘の理由で常に抑制されます。
- 無用な増税の正当化:インフレ対策ではない、国民負担を増やすだけの増税が、「財源確保」の名の下で簡単に正当化されてしまいます。
国民は、この国の財政の真実を知り、「財源の嘘」に基づく増税論に騙されてはなりません。この欺瞞を打ち破り、政治・行政に国民生活に真に必要な支出を要求していくことが、我々の義務です。
関連性の高い危機管理記事
行政や政治の構造的な欺瞞を暴く以下の記事もぜひ合わせてご確認ください。

