そのオハナシいただきます♪vol.8 小豆島 割子弁当

2016.10.20

Oh!BentoLaboのサイトをリニューアルして、第一回目の「そのオハナシいただきます♪」に登場していただいた
象印マホービン株式会社様のまほうびん記念館で、その存在を知った割子弁当箱。

小豆島の農村歌舞伎で持参される弁当箱です。

年に2回、肥土山と中山の神社で奉納される農村歌舞伎。

10月9日、春日神社の中山農村歌舞伎に行ってきました(歌舞伎よりも割子弁当が目的です)

農村歌舞伎が開催される、肥土山・中山地区は日本の百選に選ばれた千枚田の棚田があるところ。

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小さな舞台ですが、金比羅歌舞伎が開催される「金丸座」を模して造られていて、
回り舞台や奈落、花道のすっぽんがあるという本格的な舞台です。

 

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さてさて、私のお目当てである「割子弁当」ですが、なかなか登場してくれませんでした。
しかし、舞台近くに木箱が置かれているのをみつけ、きっとあれは割子弁当箱に違いない!と定点観測。

 

開演間近に登場された、持ち主さんを見つけかけつけて写真を撮らせていだだきました!

娘がその時の私の姿を激写しておりました!   

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ご飯は棚田の新米です
きっちり、四角にして、煮染めが入るのが割子弁当のお約束のようです

 

もうひと家族発見!

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こちらは、ぎっちり入って30人分!

 

私達も近くのカフェで割子弁当をお願いしていました
残念なのは、おかもちスタイルでないこと・・

 

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これだけの人達が集まっているのですが。。。

割子弁当箱を持参されていたのは、2家族だけ・・少しさびしいですね

せっかくの素敵なハレの日のお弁当箱、伝えていってほしいと願っています

 

春の肥土山歌舞伎での割子弁当の記事はこちらを参考にしてね!

http://colocal.jp/topics/lifestyle/shodoshima/20140512_32680.html

そのオハナシいただきます♪ Vol.6 輪島キリモト「あすなろ弁当箱」

2016.05.05

輪島キリモトの桐本泰一さんとは2012年に友人の紹介でお知り合いとなりました。

 

東北、熊本・大分と大きな震災が続いていますが、

 

輪島も2007年、能登半島沖の地震で大きな被害を受けました。

 

その年、女優の山口智子さんがオーナーの中目黒にあった「燕子花」開催された

 

震災復興支援の企画の取材で、遠目に桐本さんを拝顔したのが初めて。

 

 

 

当時、デザイン誌の取材やライティングの仕事を多くやっていたため共通の業界人が多く、

 

facebookを始めた頃に「知り合いかも」という人の中に

 

必ず桐本さんが登場するほどでしたが、なぜがご本人と出会う機会はありませんでした。

 

 

出会った頃に「あすなろ弁当箱」のことを紹介している記事がこちらです。

 

 

Oh! Bentoコンシェルジュ 松本希子の [ゆさんすたいる] 2013年8月号

 

 

 

輪島キリモトは、江戸後期から明治、大正にかけて漆器業を営み、

 

昭和に入り木を刳ることが得意な朴木事業を創業。 桐本泰一さんはその七代目。

 

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現在は得意な朴木地の技術を生かし、輪島ならではの塗りの技術を重ね合わせた

 

暮らしにとけ込むような“漆と木の仕事”を発信し続けていらっしゃいます。

 

 

漆の“王様”とも言われる塗りの産地で、職人の方々の技術を生かし

 

輪島塗をなんとか盛り上げたいと思う桐本さん。

 

 

天然の漆には抗菌・減菌作用があり、重箱に代表される漆を塗った箱がこれまで重宝され続けてきた

 

理由に加え、下地の蒔地技法をベースにし、金属のスプーンを使用しても傷がつかない

 

輪島キリモトならではの独自の仕上げに加工できる技術をあわせて弁当箱ができないかと

 

考えていた頃に私と出会いOh!BentoLaboというコミュニティを知り、お弁当のおもしろさを

 

実感してくださいました。

 

しかし、漆の弁当箱となると拭き漆仕上げが2、3万円以上。

 

下地を施し、上塗りや蒔地などの技法だと、5、6万円にはなってしまう。

 

そこで、朴木地屋として寝かせていた石川県の県木であり、能登地方に多く自生するアテの木(ひのきあすなろ)

 

輪島塗の木地に使用される「あすなろ」で1万円台の弁当箱ができないかとつくられたのが

 

このあすなろ弁当箱です。

 

 

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能登ヒバという名前で石川県がブランド化しているように、輪島塗の木地だけでなく建材にも

 

使用されている。軽くて粘り気があり防虫効果が高い。

 

白木が美しいあすなろ弁当箱、表面にはガラス塗料による塗装を施してありますが、ヒノチオールの効果を

 

損なわず、汚れがつきにくい仕上げとなっています。

販売が始まって3年目となりますでしょうか、いまではあずなろ弁当箱から「箱」として様々な展開をされています。

 

http://kirimoto.net

 

 

私も購入させていただいています。

 

 

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 その土地ごとに、ものづくりのお話があり、その人の思いがありますね。

 

 その思いをお弁当でつなぐことがしたいと思っています。

 

そのオハナシ いただきます♪VoL.5  三重県 「尾鷲わっぱ」

2016.04.06

「わっぱ」と言えば秋田と連想される方がほとんどではないでしょうか。

 

しかし昔「わっぱ」はそれぞれの土地の木材を使い、漆を塗り、

日々の暮らしを支える道具としてつくられていました。

 

その証拠に有名な秋田県・大館の(杉)曲げわっぱ以外にも、長野県・木曽の(檜)木曽めんぱ、

 

静岡県・井川の(檜)井川めんぱ、福岡県・博多の(杉)博多曲物、

 

そして今回ご紹介する三重県・尾鷲の(檜)でつくる尾鷲わっぱがあります。

 

 

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三重県の尾鷲市の面積の90%は山林で、黒潮の流れる熊野灘に面し、背後を山に囲まれているため、

 

南からの暖かく湿った空気が流れ込みやすい春から秋にかけて、雨雲が発達しやすく、

 

日本国内で見ても非常に雨が多い地域(年間降水量は3,848.8mm)として知られています。

 

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その全国一の多雨地帯で豊かな水と太陽に育てられた尾鷲檜を使いつくられてきたのが「尾鷲わっぱ」です。

 

 

尾鷲わっぱがいつ頃からつくられ始めたのかは定かではありませんが、

 

江戸時代初期に林業が盛んとなり山に入る山師が増え、

 

また同時期にカツオ漁も盛んとなり漁師もわっぱを愛用するようになったといいます。

 

 

 

しかし、かつては4、5軒あったわっぱ屋も、現在は「ぬし熊」のみ、

 

その技を受け継ぐのは4代目世古効史さんです。

 

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尾鷲わっぱの特徴はなんといっても強い柱材として知られる尾鷲檜を使っていること。

 

 

さらにその中から木目がすっと通った良質の板を選び出し、完成まで38〜45に及ぶ工程を経て、

 

 

完成するのに1〜2ヶ月はかかると世古さん。

 

 

漆を塗り重ねて、出来上がった後も呼吸を続ける尾鷲わっぱ。

 

米の水分を良い加減に保ち、炊き立てとはまた違ったおいしさを引き出してくれます。

 

 

 

曲げた板のつなぎ目は、桜の皮を薄く細く削った「ひも」で縫い合わせています。

 

産地によっては接着剤を使い、1日おきにしか使えないわっぱもある中、

 

山にこもれば2.3日は里に下りずに過酷な仕事をこなした山師や、

 

熊野灘の荒波での厳しい漁を続けた漁師の現場で使い続けられてきた“道具”だからこその堅牢さは、

 

100年使い続けられたわっぱが修理に戻ってくるということでも証明されています。

 

 

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内側を赤い漆で仕上げる「内朱(あけ)」が特徴。江戸時代は尾鷲わっぱだけに使用が許されていたといいます。

 

 

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山師は塗りのわっぱを、漁師は拭き漆のわっぱを好みました

 

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皆様の機会がありましたら、ぜひ手にとってみてください。

 

 

東京では、日本橋の三重テラスで拝見することができますよ。

 

 

 

 

TEL/FAX 0597-22-9960
〒519-3625 三重県尾鷲市大字向井493-15

 

http://nushikuma.com/tradition/

「おいしいご飯は永遠のテーマ」パナソニックの最新炊飯器

2015.08.31

そのオハナシいただきます!vol.4

 

「おいしいご飯は永遠のテーマ」

 

日本人のお弁当には欠かせないのが、ご飯。

そのご飯をおいしく炊いてくれる炊飯器には、みなさん毎日最低1回はお世話になっていますよね。

 

そこで今回は1988年、日本で初めてIH炊飯器を開発し、2015年6月1日にスチーム&可変圧力IHジャー炊飯器
「Wおどり炊き」SR-SPX5シリーズを発売されたばかりのパナソニック株式会社 キッチンアプライアンス事業部へ
お話を伺いに行ってきました。

 

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その前に少し炊飯器の歴史のお勉強を

 

 

電気炊飯器が日本に誕生して60年。

炊飯器の歴史をたどってみると・・・

 

 

1955年東芝が電気炊飯器を開発

1956年に電気炊飯器が日本に誕生して60年

松下電器(現パナソニック)も炊飯器を発売しました。

東芝は内釜と外釜の二重釜で、外釜にカップ1杯の水を入れ、内側に米と水を入れて炊く間接炊き。
外釜の水を沸騰させて炊き、水が無くなるとスイッチが切れる方式。松下電器はいまと同じ、
鋳込みヒーターの上に直接釜を置いて焚く方式でが鍋底のセンサーが130度になればサーモスタットが
作動してスイッチが切れる方式。

1960年、自動保温式電気がまが発売される

温度調節ができるようになり、70度で保温できるように。

 1979年、業界初のマイコンジャー炊飯器が登場

マイコンで釜の温度と時間制御ができ「はじめちょろちょろなかぱっぱ」がコントロールすることが可能に。

1988年、松下電器(現パナソニック)がIH炊飯器を業界で初めて開発

ヒーターの熱板の上に鍋を直接のせて加熱する方式から、IH=インダクションヒーティング方式へ。
コイルでお釜のまわりをぐるっと巻き、電流を流すと磁力を発生して釜自体が発熱する。
炊飯器本体と釜の間には隙間があり、電磁波が飛び釜が自身で発熱する仕組みとなっている。
これまでのヒーター式の場合、強い温度を入れすぎると、本体の樹脂が溶けてしまったが、
IHの場合はまわりが空気の断熱層になっているため、強い火力を入れることができるようになった。

 

という開発の流れを踏まえて・・・

パナソニック株式会社キッチンアプライアンス事業部で長年、炊飯器の開発に携わってらっしゃる
IHCH技術部 炊飯器・IHCH調理ソフト課 課長の加古さおりさんにお話をお聞きしました。

 

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(コンシェルジュ)
IH炊飯器はパナソニックさんが初めて開発されたということですが、そのきっかけを教えてください。

 

(加古)

弊社は日本で初めて1口のIH調理器を開発しました。その技術を様々な商品に展開していく流れのなかで、
炊飯器やクッキングヒーターが開発されていきました。とくに炊飯器は従来のコイル式では高い火力を
入れることができないという課題があったので、IHなら強い火力で炊けるのではないかと開発が始まったと聞いています。

 

(コンシェルジュ)

いまやどのメーカーもIHが普通となり、それぞれの特徴を打ち出しながらの製品開発となっていますね。
IHジャー炊飯器を開発したパナソニックならではの特徴を教えてください。

(加古)

特徴は、高温スチームと圧力で米を炊き上げる方式です。そもそもパナソニックでは圧力鍋で炊いた粘り気の強いご飯は
誰にでも好まれないのではないかということから、長年圧力式は採用してきませんでした。
しかし、2011年に圧力式の炊飯器を開発していた三洋電機と一緒になったことと、
世の中の嗜好も変化してきたこともあって、お互いのよいところを生かしたIHジャー炊飯器の開発が始まりました。

 

(コンシェルジュ)
では、お互いのよいところを生かし開発されたのが“おどり炊き”なんですね。

 

(加古)

はい、そうですね。

 

(コンシェルジュ)

“おどり炊き”から今回6月1日に発売されたスチーム&可変圧力IHジャー炊飯器「Wおどり炊き」は
Wとありますが、この違いを教えていただけますか。

 

(加古)

Wつまり2つのおどり炊きでおいしさを引き出しています。おどらせすぎるとご飯のおいしさの成分
「おねば」が外に溶け出しネバネバするだけで本来はおいしくはありません。しかし今回はあえて、
底からの通電による内対流と底側面への通電による外対流を0.04秒ごとに替える高速交互対流による
おどり炊き。また加圧、減圧を繰りかえす可変圧力おどり炊き。このWであえて激しくおどらせて
おねば成分をしっかり抽出。最後に220℃のIH高温スチームによって出たおねば成分をご飯に焼き
付けて戻すことで、パリッとしながらも甘みと旨味がしっかりわかるご飯に炊き上げることが
できるようになりました。

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(コンシェルジュ)

大火力でぐわーっとシェイクしてご飯の旨味の“おねば”をあえて外に出し、さらに熱風でお米に旨味を
焼き付けて戻す!ということですね。

聞いているだけで激しくて、フラフラになる感じですね〜
その220℃の高温スチームはどこから出てくるのですか?

 

(加古)

蓋ですね。ステンレスパイプのまわりにIHコイル線が巻き付けてあます。

これまでIHジャー炊飯器の本体にはIHヒーターを使用していますが、蓋にはホットプレートなどに使用する
シーズヒーターが使用されていました。今回スチーム温度を上げてみたいというこちらの希望を設計者に伝え、
相談しスチームが最初から最後まで安定して出すことができる220℃にしました。

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(コンシェルジュ)

IHだとそれだけ高温にできるのですね!

 

(加古)

シーズヒーターでも220℃を出すことは可能です。しかしピークに達するまでに時間がかるのと、
温度調節に安定感がないのが問題点でした。しかしIHすることで一気に220℃に上がり、
しっかりスチームを出し続けて行き渡らせることができました。このことで、でんぷんの甘みはでるが、
ねばねば感がなく粒感が際立つご飯にすることができました。

 

(コンシェルジュ)

お仕事とはいえ、炊飯器をどこまで進化させるのですか?
これが出たときには、もうすでに次の目標を持たれているのですよね。

(加古)

はい、そうですね。

毎年そういいながら、次の開発が始まっています。
新しい製品がでれば、さらに次の高みを目指し努力中です。

(コンシェルジュ)

これだけ高機能で価格帯も10万円ともなれば、ご飯を炊く以外にもなにかできるのでしょうか。

(加古)

高級機に関しては、あえてご飯専用にしています。
パナソニックの炊飯器は1万円から10万円までの価格帯となっていますが、「おどりだき」と
名称が付いている製品はご飯専用なんです。

それなりの価格帯の製品を購入される方々はお米にもこだわる方が多いのではないかと考えて、棲み分けをしています。

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(コンシェルジュ)

では最後にお弁当に入れる、冷めてもおいしいご飯について“コツ”を教えていただけますでしょうか。

(加古)
ご飯の理想は外がしっかりして中が柔らかなご飯。冷めてもこの条件を保つことが大切です。
高火力の炊飯器で炊き上げたご飯は、時間が経ちまわりの水分が蒸発しても中の柔らかな
ところは残るので、お弁当にもむいていると思います。

(コンシェルジュ)

なるほど、本日は様々な興味深いお話をありがとうございました。

これからの炊飯器の進化を楽しみにしています。

 

どうですか、みなさん。
日本の炊飯器、恐るべし。

ちなみに、このスチーム&可変圧力IHジャー炊飯器「Wおどり炊き」SR-SPX5シリーズは、

「銘柄炊き分けコンシェルジュ」という米の銘柄31種類による炊き分けができるのです。

対応銘柄:あいちのかおり、あきたこまち、あきほなみ、あさひの夢、おいでまい、キヌヒカリ、きぬむすめ、
きらら397、くまさんの力、元気つくし、こしいぶき、コシヒカリ、コシヒカリ(魚沼産)、さがびより、ササニシキ、
つがるロマン、つや姫、天のつぶ、なすひかり、ななつぼし、にこまる、はえぬき、ひとめぼれ、ヒノヒカリ、
ふっくりんこ、まっしぐら、みずかがみ、ミルキークィーン、森のくまさん、夢づくし、ゆめぴりか

 

もちろん、パナソニック以外のメーカーも様々な工夫と開発をされ「おいしいご飯」をめざしてらっしゃいます!

メーカーの数だけおいしさがある!そこが日本の炊飯器のすごさですね。

 

ちなみに、中国人観光客が家電量販店や空港などで爆買いしている炊飯器は、中国のお米に合わせて

調整されているものですって!!

そりゃそうですよね、単純に疑問に思っていたので質問をしてしまいました。

パナソニックさん以外のメーカーさんにも取材にお伺いしたいと思います。
ぜひ、ぜひ、お声をかけてくださいませ!

よろしくお願いいたします。

「おべんとうの時間」阿部了さん、阿部直美さんに会ってきました!

2015.06.09

「そのオハナシいただきます♪ VoL.3」

Oh!BentoLanboのおべんとうコンシェルジュ松本が、会いたい方々にアポイントを取らせていただき
“おいしい”お話を聞かせていただく「そのオハナシいただきます♪」の第3回目は、シリーズ10万部
というおべんとうエッセイの中でも人気の「おべんとうの時間」の著者である阿部了さんと阿部直美さんです

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「おべんとうの時間」は、単行本はもちろんANAの機内誌“翼の王国”でも人気No.1のエッセイ
お弁当ハンターとしてNHKのサラメシにも出演されているため、Oh!BentoLaboメンバーにも
阿部了さん、直美さんのファンが沢山います。

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お弁当の時間(1)  おべんとうの時間(2)

今回はご自宅でお話を伺うという、なんとも図々しい取材となりました。

本当に快く受け入れてくださりありがとうございました。

 

阿部了さん、直美さんは今年の4月に発売されたシリーズ第3段「おべんとうの時間(3)」を含めて15年間、
180人の方々のお弁当とポートレートを撮り、お話を聞いてこられました。

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そもそも了さんは作品として、他人さまの“お部屋”を撮っていらしたそうです。

ひとがあえて見せたくないものを“のぞき見する”という視点と、料理をつくるのが好きというのが結びつき、
他人さまには見られたくない「弁当」をどうしても撮りたい!写真展を開催したい!が了さんにとっての
「おべんとうの時間」のはじまりでした。

直美さんは、了さんがお弁当ハンターとして一人で取材旅行にいくのがなんだか羨ましく、
それなら私も!とついて行ったことがきっかけで文章を書くようになったそうです。

 

「私はお弁当への興味よりも、やはり人への興味が強いかな、

 彼のように、食べ物や料理に執着はないタイプなの(笑)」

了さんの追い求めているものは、他人の部屋であれ、弁当であれ、その人の暮らしであり、生きる本質。

「見せたくないものの中に、その人の本質がある」

 

見られたくないお弁当を見せてもらえる仲になるって、それは凄いこと。

これぞ、裸の付き合い。

 

いまやこれだけのベストセラー本になり、翼の王国での連載となると、
お弁当の撮影依頼も苦労はないのでは?とお聞きすると

「私の弁当を撮影に来てくださいという、HPからのリクエストもたまにあります。
ただ、今の時代ブログもありますし、弁当にこだわりを持っていて「ぜひ私の弁当を見て」
という人がいるなかで、私たちの役割というのは、お弁当について、特になにも普段から考えて
いなかった人に出会って、その人にとって、ごく当たり前の「弁当」にスポットライトを当てたいなと思っています。
だから、わざわざ弁当なんて、他人に見せたくないなあ、というタイプの人にこそ、出会いたいと思うのです。」

 

普通の弁当を求めて全国取材の旅を15年続けているお二人。

ここなんです「おべんとうの時間」の神髄。

なので人捜しは常に大変な状況だとか・・・

 

例えば、こんな弁当ナンパも当たり前。

 

別件で大阪入りした阿部夫妻、仕事終わりで天保山に行くと、そこでは大道芸人がパフォーマンを行っていました。

 

大道芸人はどこで昼を食べるのか疑問を持った了さん、声を掛けてみると「弁当を持参している」と!
ラッキーということで撮影させてもらったそうです。

お弁当ハンターという名前の通り、常に了さんは、人を見るとあの人は弁当持参なのか、どうなのか気になるそうです。

 

「おべんとうの時間」の撮影は4×5のカメラ。もちろんフィルムです。

Unknown ※このカメラは阿部さんが使用のものではありません、あくまでイメージです

お弁当もポートレイトも自然光での撮影なので、時間が掛かります。

ある日、ポラを切っている間に、鹿に弁当を食べられそうになり、あせったというエピソードも(笑)

 

了さんが4×5フィルムのカメラにこだわるのは、弁当の持ち主、その人と「向き合う」ため。
確かにカメラを通して、ぐぐっーと入り込んだ熱い思いが映像で表現されていますよね。

 

直美さんが本格的に文章を書くようになったのは、弁当ハンターの了さんに同行し始めてから。

「ほんとうに、最初はインタビューのノウハウなんで何も持ち合わせていない初心者で・・・
逆にわからないから、自分のやりたいように、聞きたいようにやってきました。」

 

長い間一緒に暮らしているから、よくわかる。彼女はとても聞き上手なんですよ
だから文章はなんとかなるだろうって、僕は思っていました。」

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「私は弁当よりも、人に興味があるので、いつも話しを聞くなかで目の前にいる“この人の魅力はどこなのか”
を意識しています。だからまったくお弁当のことに触れないでインタビューが終わってしまうことも多いですね。
取材が終わってテープ起こしをするなかで、再びその人に向き合える。
弁当の話しは直接聞いていなくても、弁当を通したその人の生きるためのキーワードを文章にしたいなぁと
いつも思って書いています。」

 

出版社に企画をもちこんでも“普通の人の弁当のどこがおもしろいの”と言われ続けたと、了さん。

しかし「おべんとうの時間」という書籍が発売されたとたん、普通の人のお弁当がこんなに共感され続け、
いまやシリーズ10万冊。

それは、きっと了さん、直美さんと娘さんの阿部家という家族と、「本当は見せたくないのよ」と
言いながらも取材をさせてくれた、家族との交流が描かれているからこそなんだと、今回お二人に
お話をうかがってそう感じました。

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了さんの「ニッポンチャチャチャ」にあやかって、勝手に「阿部家チャチャチャ」エールを贈らせてください。

これからもお二人の「おべんとうの時間」楽しみにしています。

弁当箱専門店Bento&coのベルトランさんを訪ねて!

2015.05.11

【そのオハナシいただきます♪ Vol.2】

 

 Oh!BentoLanboのおべんとうコンシェルジュ松本が、会いたい方々にアポイントを取らせていただき
“おいしい”お話を聞かせていただく「そのオハナシいただきます♪」の第2回目は、京都の弁当箱専門店
Bento&coの代表ベルトラン・トマさんです。

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ベルトランさんは、フランス ロアーヌ地方から京都大学へ留学するために来日しました。
日本で暮らすうちに興味を持った日本の弁当や弁当箱が、フランスのファッション誌で
取り上げられるなど人気が高いということを母国の母から伝え聞きました。

 当時、フランスではアニメや漫画のキャラクターを弁当にした“キャラ弁”が大ブーム。
日本人のキャラ弁ブロガーに触発され、自らキャラ弁をつくり、自身のブログにアップする
人が急増していました。当時、日本に移り住んでいたベルトランさんは、彼らがキャラ弁を
詰める弁当箱を手に入れるのにとても苦労していることを知り、2008年に弁当箱専門の
オンラインショップをオープン。2010年に英語版、2011年には日本語版を起ち上げました。

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フランス版・英語版のオンラインショップを始めた頃は、日本文化をよく知る人が弁当箱を
購入するケースが多かったようですが、いまは日本のことはよく知らないけれど、弁当箱は
欲しいというお客様が増えてきたそうです。それだけ海外で日本式のBENTOスタイルが浸透
してきたということなのでしょうね。

 「ヨーロッパでは“トップシェフ”のような料理番組がいまとても人気で、その影響でランチも
外食でなく手づくりのものを持参する人達が増えています。アメリカでも昔ながらのサンドイ
ッチ・ジュース・果物というランチボックスではなく、日本のようにちゃんと自分で調理した
ものを持たせたいと思うお母さんが増え、弁当箱を使う人が多くなりました。」とベルトランさん。

 

こうして海外でBENTOが広がるとともに、現在Bento&coでは90ヶ国から注文がきています。
最近、顕著に伸びを見せているのが、オーストラリアだそうです。

 日本でも唯一の弁当箱専門店「Bento&co」のこだわりのセレクトを聞いてみました。

 「Bento&co“カワイイ・オシャレ”のコンセプトに合った自分な好きなもの、使いたいものを
セレクトしています。商品の80%は日本のメーカーのプラスチック製。曲わっぱや漆器も
扱っています。海外製はイギリス、フランス、インド、タイですね。」

 

Bento&coのオリジナルは現在10種類。

なかでも一番の売れ筋は「こけし弁当 京都」

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■Oh!BentoLaboメンバーの所有率も高いBento&coの曲げわっぱ
 蓋の裏にBento&coのロゴが焼き印してある

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■オリジナルデザインの布を特殊なコーティングをすることで弁当箱にした「西陣弁当」
海外では紫はおしゃれな色として人気が高いが、日本では食べ物を入れる器に紫は
なかなか受け入れられず、売り上げは低い方だとか

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 ■フランス・パリのmini laboデザイナーによる、一つ一つの色柄にこだわった数量限定
オリジナル商品。保冷材が仕込んであるフタを冷凍して用いると夏場など安心して持ち歩けます

日本発、弁当箱専門のネットショップを起ち上げるとき、周囲からは大丈夫、食べていけないでしょ、
という懐疑的な声が多かったといいます。2012年2月に京都市内にリアル店舗を出す際も、弁当箱専門
なんて信じられないという反応が多かったそうです。しかし、そんな否定的な反応を跳ね返すように
ベルトラン氏は失敗するなんて思えなかったと言います。ネットショップでは大半が海外の顧客でしたが、
店舗を構えたことで日本人のお客様も増え、土日はとくに賑わいます。

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日本で暮らすなかで、フランスに日本の良いものを紹介したいと思っていたベルトランさん。

弁当箱料理上手な母に育てられ、自身も料理が好きで自身のお弁当もつくるほど、彼にとって
BENTOはなくてはならないものとなっています。

彼曰く「弁当はコミュニケーションツール」そこが弁当の魅力だと強く語ってくれました。
それは、私がOh!BentoLaboを運営していても強く感じるところでもあります。

 

 

Bento&co

京都市中京区六角通麩屋町東入八百屋町117

Tel. 075-708-2164

営業時間|12:00~19:00:土曜日も同じ営業時間となります

http://www.bentoandco.jp/

http://www.facebook.com/BentoandcoJapan(facebookページ日本語版)

http://www.facebook.com/bentoandco(facebookページ英語・フランス語版)

 

2015.4.9取材

【そのオハナシ いただきます♪ vol.1】まほうびん記念館へ行ってきました!

2015.04.14

象印マホービン株式会社 まほうびん記念館

「おべんとうとお弁当箱のはなし」展へ行ってきました!

 

 

おべんとうコンシェルジュ松本が会いたい方々にアポイントを取らせていただき、おいしいお話を聞かせていただく

「そのオハナシ、いただきます♪」という企画を新たにはじめさせていただきます。

第1回目は、大阪北区天満に本社がある象印マホービン株式会社様のまほうびん記念館

こちらでは昨年の9月4日〜4月20日まで「おべんとうとお弁当箱のはなし」という企画展が開催されています。

 

今回、ナビゲーションいただいたのは、館長の山口己年男さんです。

 

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まほうびん記念館は、象印マホービン株式会社の創業90周年を記念して企業博物館としてオープンしました。

こちらは同社の歴史や製品資料の紹介をメインとするのではなく、より普遍的に産業史的な展示となっているのが特徴です。

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まほうびんは、大阪の特産品!?

 

大阪は長崎に次いで日本のガラス工業が発達した地、だったことをご存じでしたか?
まほうびんは明治時代末期にドイツから輸入され、大阪はガラス工業をリードする地域として、

数社の会社がまほうびん製造にとりかかりました。当時は国内需要というよりも、
東南アジアに進出した欧米人向けの輸出がほとんどで、大阪の特産品として発展したそうです。

 

こちらには、「真空」という基本技術をもとにした製造技術の開発や素材の変遷、
使い勝手の工夫など、まほうびんの技術と進化が紹介されています。

 

まほうびんの原型、真空フラスコ

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こちらには、1918年(大正7年)、市川兄弟商会として誕生した象印マホービン株式会社の創業時の中びん製造から

自社まほうびん製造、劇的にライフスタイルが変化した1990年代までの製品づくりが紹介されています。

懐かしい製品もあちらこちらに展示されていました。

 

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さていよいよ、おべんとうの企画展を拝見することにしましょう。

 

 海外でのBENTOブームはよく知られていますが、象印マホービンさんのランチジャーはアメリカで

「ミスターベントー」という名前が人気でたくさん売れているそうです。
そもそも、海外で大ブレーク中のBENTOの語源であるおべんとうにスポットをあてたものが
「おべんとうとお弁当箱のはなし」展です。

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弁当の起源や弁当箱の歴史をなぞりながら、
日本の食文化に大きな影響を与えたおべんとうを取り上げられています。

 

道中弁当箱(蒔絵と螺鈿)

花見用の提げ重 江戸時代

竹駕籠箱

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お弁当とお弁当箱の歴史

 

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奈良時代の竹の皮のお弁当

おにぎり おむすび 分布図

わりご弁当 香川県 小豆島の農村歌舞伎で使われるお弁当箱

http://colocal.jp/topics/lifestyle/shodoshima/20140512_32680.html

 

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武士が用いた腰弁当(手前左)

 

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 明治に入ると軍隊で使うため、大量生産できるものが必要だったため、

アルミニウムの弁当箱が使用されるようになりました。

しかし、アルミニウムは酸に弱いという弱点でした。

昭和の初めにアルマイトの弁当箱ができ、酸に強いため

梅干しを入れても痛まないと重宝されました。

 

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まほうびん製の弁当箱の登場

 

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現在のランチジャーとひときわ大きい米版ミスターベントー

ステンレスフードジャー(前列左より3点)

 

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また、おべんとうの思い出に並ぶ、学校給食のメニューの変遷を時代ごとに

紹介する展示もありました。

 

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この「おべんとうとお弁当箱のはなし」展は4月20日で終了してしまいますが、次回の企画展は5月からはじまります。

みなさまも、ぜひ一度、まほうびん記念館へ足を運んでくださいね。

 

〇まほうびん記念館

〒530-8511

大阪市北区天満1丁目20番5号(象印マホービン株式会社 本社1F)

  • 開館時間

平日午前10:00-12:00 午後1:00-4:00土・日・祝日は休館

来館には予約が必要です。Tel 06-6356-2340(予約)

  https://www.zojirushi.co.jp/corp/kinenkan/02.html#02