そのオハナシ いただきます♪VoL.5  三重県 「尾鷲わっぱ」

2016.04.06

「わっぱ」と言えば秋田と連想される方がほとんどではないでしょうか。

 

しかし昔「わっぱ」はそれぞれの土地の木材を使い、漆を塗り、

日々の暮らしを支える道具としてつくられていました。

 

その証拠に有名な秋田県・大館の(杉)曲げわっぱ以外にも、長野県・木曽の(檜)木曽めんぱ、

 

静岡県・井川の(檜)井川めんぱ、福岡県・博多の(杉)博多曲物、

 

そして今回ご紹介する三重県・尾鷲の(檜)でつくる尾鷲わっぱがあります。

 

 

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三重県の尾鷲市の面積の90%は山林で、黒潮の流れる熊野灘に面し、背後を山に囲まれているため、

 

南からの暖かく湿った空気が流れ込みやすい春から秋にかけて、雨雲が発達しやすく、

 

日本国内で見ても非常に雨が多い地域(年間降水量は3,848.8mm)として知られています。

 

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その全国一の多雨地帯で豊かな水と太陽に育てられた尾鷲檜を使いつくられてきたのが「尾鷲わっぱ」です。

 

 

尾鷲わっぱがいつ頃からつくられ始めたのかは定かではありませんが、

 

江戸時代初期に林業が盛んとなり山に入る山師が増え、

 

また同時期にカツオ漁も盛んとなり漁師もわっぱを愛用するようになったといいます。

 

 

 

しかし、かつては4、5軒あったわっぱ屋も、現在は「ぬし熊」のみ、

 

その技を受け継ぐのは4代目世古効史さんです。

 

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尾鷲わっぱの特徴はなんといっても強い柱材として知られる尾鷲檜を使っていること。

 

 

さらにその中から木目がすっと通った良質の板を選び出し、完成まで38〜45に及ぶ工程を経て、

 

 

完成するのに1〜2ヶ月はかかると世古さん。

 

 

漆を塗り重ねて、出来上がった後も呼吸を続ける尾鷲わっぱ。

 

米の水分を良い加減に保ち、炊き立てとはまた違ったおいしさを引き出してくれます。

 

 

 

曲げた板のつなぎ目は、桜の皮を薄く細く削った「ひも」で縫い合わせています。

 

産地によっては接着剤を使い、1日おきにしか使えないわっぱもある中、

 

山にこもれば2.3日は里に下りずに過酷な仕事をこなした山師や、

 

熊野灘の荒波での厳しい漁を続けた漁師の現場で使い続けられてきた“道具”だからこその堅牢さは、

 

100年使い続けられたわっぱが修理に戻ってくるということでも証明されています。

 

 

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内側を赤い漆で仕上げる「内朱(あけ)」が特徴。江戸時代は尾鷲わっぱだけに使用が許されていたといいます。

 

 

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山師は塗りのわっぱを、漁師は拭き漆のわっぱを好みました

 

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皆様の機会がありましたら、ぜひ手にとってみてください。

 

 

東京では、日本橋の三重テラスで拝見することができますよ。

 

 

 

 

TEL/FAX 0597-22-9960
〒519-3625 三重県尾鷲市大字向井493-15

 

http://nushikuma.com/tradition/

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