私的・弁当箱考 第一回「理想の弁当箱とは」

2016.04.16

このたび「ベンラボ通信」の番外編として、弁当箱に対する勝手で私的なつぶやきを連載することになった白山勇一です。

 

どうぞ、よろしくお願いします。

 

「最初に軽く、私の弁当の原風景の話」

 

それは生家の生業であった鉄工所の工員さんのお弁当です。

 

鉄工所の夏は、気温湿度に加えてコークスの熱気で暑く、冬は冷たい鉄に触れる極寒の中での作業ですから、

 

塩分の補給とご飯をしっかり食べることが大切だったと思われます。漬物・煮物・焼魚、鯖や秋刀魚の缶詰など、

 

どれも甘塩辛いおかずで、いわゆるドカベンにびっしり詰められた飯を、子どもの一食分くらいをひと口で頬張り、

 

ものの5分で完食、空の弁当箱でお茶を飲む工員さんの昼食風景はたくましく、子どもの目には、

 

「男の格好良さの塊」のように見えていました。よく真似をして笑われておりました。

 

 

その後グラフィックデザイナーとして、

 

食品メーカーの弁当関連の案件に携わるうちに自分で弁当を作るようになり、

 

多様な弁当箱があることを知り「これがあれば、もっと上手く作れるはずだ」という道具頼みという自己暗示にかかり、

 

気づけば30以上の弁当箱を買い求めていました。

 

 

 

 

bento_001

氷山の一角という感じ。

 

 

 

「大量購入の果てに気づいたこと」

 

 

Oh! Bento Laboに日々アップされる

 

世界の皆さんのお弁当やおかずの作り方情報漬けの日々を何年にも渡って楽しんでいたのですが、

 

キッチンの大掃除の時に、大量の弁当箱と小物類を眺めて、ふと「何をしてるんだ俺は・・・」

 

という気づきの日がやってました。

 

 

 

 

そもそも、子どもの居ない夫婦2人暮らし、年齢も若いわけでもない。

 

取っ替え引っ替え使い分けていた弁当箱は、

 

ファッションで例えれば、キャラクター入りのトレーナーを着たり、突然タキシードを着たりしているようなもの。

 

これはひどくみっともない。

 

 

 

 

さらに、弁当というものは、グループで集合して食べない限りは「個食」のジャンルになるだろう、

 

そこでこれらの弁当箱をウキウキ使うとは、なんと幼稚なことか。

 

趣味としてデコレートを心から楽しむ志向ならともかく、

 

たまたまチラッと見られたときに「なんか美味しそうなの食べてるな」と思われるくらいの

 

シンプルなものが自分には相応ではないかと。

 

 

そう、服飾でいえば、メーカーこそ分からないが質の良いモノなのかな?と思ってもらえるような方向に定めるべきだと。

 

 

bento_002

とにかく色々作ってみたかった、そして、たくさんの道具に囲まれたかったのだろう。

 

 

「弁当そして弁当箱も“人となり”」

 

 

引き取ってもらえる物は譲り、残りは処分または永久保存とし、

 

現役使用として残ったのは6つの弁当箱。

 

曲げわっぱ2つ、アルマイト2つ、塗りの二段1つ、籠1つ。

 

この体制で作る弁当は、シンプルで「自分の理想」に近いものへと変化しだしました。

 

よく言われる栄養や彩りの5色バランスなども無関係。

 

ごくシンプルに、活動に必要な一食を賄うと割り切れたからかと思います。

 

そうしてできあがる弁当は、鉄工所の子ども時代に憧れた

 

「あのお弁当」に似ているから不思議なものです。

 

 

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次回更新は5月20日。

 

第二回「携行食だからこそ意識したい機能性」へと続きます。

 

 

2015年6月19日のおべんとう

2015.07.05

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